eBay、Wal-mart、バンカメ、Dellらが「ペタバイト倶楽部」の初代メンバーに:Teradata PARTNERS 2008 Report(2/2 ページ)
10月中旬のTeradata PARTNERS 2008で、ペタバイト以上のデータウェアハウスを構築する企業にアワードが贈られた。いよいよ企業がペタバイト級の分析データを扱う時代がやって来た。
4年後には100ペタを超える?
13日には、eBayでディスティングイッシュトアーキテクトを務めるマイケル・マッキンタイアー氏による「The eBay 100PB Analytical Systems Architeture」と題する講演が行われた。
現在のeBayのデータウェアハウス容量は5ペタバイトだが、仮に、容量が毎年倍のペースで増えていくと4年と少しで100ペタバイトを超えることになる。100ペタバイトのデータウェアハウスをどう運用するかが現実に差し迫った課題となっているのである。
プレゼンテーションの内容は確定的な内容ではなく、100ペタバイトに対応するための課題について、同氏の見解をまとめたものだった(100ペタバイトのデータウェアハウスは全く未知の領域なのでこれは当然のことだ)。特に、基盤テクノロジーそのものよりも、データモデリングやETL(抽出・変換・ロード)における課題が大きい点が主張されていた。
分析はeBayの「DNA」
14日には、同社アーキテクチャー/オペレーション部門のシニア・ディレクターであるオリバー・ラッツェスバーガー氏による「Analytics as a Service Delivers Fast Results at eBay」と題する特別講演も行われた。
ほとんどのネット企業と同様に、eBayの企業文化においてはスピード(Time to Market)が何よりも重要視されている。同氏によれば、eBayではデータ分析がトップから現場に至るまで「企業のDNA」になっているという。
このような企業文化を支える分析業務のために5ペタバイトのデータウェアハウスが積極的に活用されている。「Analytics as a Service」という名称が示すとおり、データと分析のインフラは共用サービスとして提供され、各部門が自前のインフラとしてデータマートや仮想データウェアハウスを構築して利用しているわけではない。これらのテクノロジーは、コストとスピードの点で投資に見合わないというのが同氏の考え方だ。真のコスト削減と経営スピードの向上のためにはデータをできるだけ集中し、サイロ化(縦割り化)を避けるべきという原則が徹底されている。
eBayの事例は、適切なテクノロジーを適切に活用すれば、巨大さと俊敏さを兼ね備えることが十分に可能であることを示している。
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