MicrosoftがApacheConで相互運用性の取り組みをアピール(2/2 ページ)
Microsoftのオープンソース戦略を率いるサム・ラムジー氏は、Apache Software Foundationの「ApacheCon」カンファレンスで、相互運用性とオープンソースソフトウェア分野における同社の取り組みについて語った。
相互運用性に関する取り組み
ラムジー氏のチームは、ジーン・パオリ氏のチームと緊密に連携して作業を進めているという。パオリ氏は、Microsoftで相互運用性戦略を担当するゼネラルマネジャーで、同氏のチームは相互運用性に向けた今回の取り組みの多くを推進している。
さらにラムジー氏によると、Microsoftは「Microsoft Network Monitor」用のプロトコルパーサの開発をオープンソースモデルに移行したという。Microsoft Network Monitorは無償のプロトコルアナライザ/ネットワークスニファで、「Netmon」とも呼ばれている。Microsoftはこのプロジェクトを、自社のコミュニティー開発サイトであるCodePlex上で運営する方針だ。MicrosoftはCodePlex上で、パブリックプロトコルのパーサおよび自社の「Open Protocol Specifications for Windows」に記載されたプロトコルのパーサの開発をホストする予定だという。「パーサパッケージのアップデートは既にリリースされており、ソースツリーがCodePlex上で作成された」とラムジー氏は話す。
「われわれはNetmoを単にWindows専用のツールではなく、最善の機能を組み合わせたネットワークモニタリングツールにしたいと考えている」(同氏)
ラムジー氏はApacheConのキーノートスピーチで、Microsoftのソフトウェアモデリング技術「Oslo」を同社のOpen Specification Promiseライセンスの下で提供する予定であることも明らかにした。「これにより、“M”のコードネームで呼ばれるOsloの宣言型言語と、WS-*規格やXMLフォーマット、業界プロトコル、セキュリティ標準などの主要な業界標準との相互運用性が保証される」と同氏は述べた。
さらにラムジー氏は次のように語った。
「Osloの主要な狙いは連携と相互運用性である。このため同技術は、System Center、Visual Studio、BizTalk Serverを含む次世代のMicrosoft技術と連携するようになる。われわれはパートナーおよび業界との共同作業を通じて、Osloと重要な標準および業界プロトコルとの間の相互運用性を実現するつもりだ。ユーザー企業が自社のプラットフォーム向けにカスタマイズを実現する主要な方法の1つが、テキスト型およびビジュアル型のDSL(ドメイン固有言語)を利用することだと思う。DSLでは、個別業界や特定分野を対象とした開発者が独自に記述することができる。また、これらのシナリオで既存のDSLを利用することもできる。われわれは“M”を中心とした広範でオープンなエコシステムを確立することにより、ユーザーが自社の異種混在環境において、モデル駆動型アプリケーションとシステムのパワーを活用できるようにしたいと考えている」
またラムジー氏は、Live Search分野ではMicrosoftのPowersetチームが最近、HBase(Hadoop用データベース)プロジェクトに再び参加したことも明らかにした。HBaseは、大規模なデータ処理を可能にするインフラ型ストレージ技術に利用したデータベースである。Microsoftは7月、検索と自然言語を専門とするPowersetの買収を発表した。Powersetは現在、Microsoft Live Searchチームの一部となっている。
「HBaseプロジェクトは、これを支持するアクティブコミュニティーから多大な助力を得ている。Powersetが同プロジェクトへの参加を継続することにより、Powersetの技術をLive Searchに連携する作業を促進することができそうだ。これはエンドユーザーエクスペリエンスの改善にもつながる」(ラムジー氏)
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