EFF、オープンソース「iPodHash」プロジェクト閉鎖を要求した米Appleを非難
EFFは、米Appleが「iPodHash」のWikiページを削除するよう求めたことに抗議した。Wikiページではハッシュの解析はしておらず、議論をしていただけと主張している。
非営利団体のElectronic Frontier Foundation(EFF)は米国時間の11月25日、オープンソースの「iPodHash」プロジェクトを閉鎖するよう求めた米Appleの行為を非難する文書を発表した。Appleによるデジタルミレニアム著作権法(DMCA)侵害の主張は適切ではないという。
Appleは、「iTunes」をLinuxなどApple以外のマシンで動くようにするオープンソースプロジェクト「iPodHash」が利用していたWikiサービス、Bluwikiに対し、同プロジェクトのWikiページの削除を求めていた。当初Apple側は、同プロジェクトの目的は自社DRM技術「FairPlay」を迂回するものであり、そのような行為はDMCAに背くと主張していたようだ。Appleの要求を受け、Bluwikiはプロジェクトのページを削除していた。
Appleは2007年9月より、「iPod」にある「iTunesDB」ファイルにハッシュアルゴリズムをかけている。当初のハッシュは解析されたが、Appleが「iPod touch」と「iPhone」で用いた最新のハッシュはまだ解析されていない。DMCAでは著作権所有者の権利を保護するための技術を解除する技術的手段の公開を禁じているが、EFFによると、Bluwikiではディスカッションが行われていただけで、iPodHashプロジェクトの開発者らはまだこのハッシュを解析していなかったという。
EFFはこのほかにも、iTunesDBファイルの作者はAppleではなく、著作権所有者があいまいである点、iTunesDBファイルのコンテンツは保護されておらず、AppleのハッシュメカニズムはDMCAが保護対象としている「アクセス管理」とはいえない点なども指摘している。
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