Microsoft、Open XML関連のツールを数種発表
MicrosoftはOpen XMLの相互運用性向上に向けた取り組みの成果として、Firefox上でOpen XMLを閲覧するための拡張機能をはじめとする幾つかのツールを発表した。
Microsoftは米国時間の12月3日、同社が2008年3月に立ち上げたワーキンググループDocument Interoperability Initiative(DII)の成果として、同社が推進するファイルフォーマット「Office Open XML」(OpenXML)に関連した幾つかのツールを発表した。
発表されたのは、Open XML形式のファイルをFirefox上で閲覧可能にする「Open XML Document Viewer」のテクノロジープレビュー版ほか、Open XMLとOpen Document Format(ODF)との間でファイル形式を変換する「Open XML/ODF Translator」のバージョン2.5。また、Apache Software Foundation(ASF)の進めるプロジェクト「Apache POI」に関連するSDKもリリースが発表されている。Apache POIは、WordやExcelなどのMicrosoft Office形式の文書にアクセスするためのJava APIで、今回の発表により、Apache POIがOpen XMLをサポート可能となる。
欧州委員会はOfficeの相互運用性などでMicrosoftに独禁法違反の疑いがあるとして調査を進めているため、Open XMLの相互運用性を向上させようと活動するDIIの動きは常に注目されている。なお、Microsoftは、2009年前半にリリース予定のOffice 2007 SP2で、サポートする文書フォーマットを拡大する予定で、ODF形式もサポートに含まれている。
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