開発者の半数が1年以内にSaaSソフトウェアを開発予定:Evans Dataの調査
最近の「Evans Data Global Development Survey」によると、開発者の半数以上が、今後12カ月以内にSaaSモデルで提供されるプログラムの開発に取り組む予定だ。クラウドコンピューティングはSaaSよりも魅力に乏しいようで、クラウドサービスを利用している開発者は10%以下だった。
最近の「Evans Data Global Development Survey」によると、すべての開発者の半数以上が、今後12カ月以内にSaaS(サービスとしてのソフトウェア)モデルで提供されるプログラムの開発に取り組む予定だ。
全世界の開発者1300人を対象に行われたEvans Dataの今回の調査では、回答した開発者の51.9%が、向こう1年内にSaaSソフトウェアを開発する予定だと答えた。
Evans Dataのジョン・アンドリュース社長兼CEOは「この調査結果は、SaaSというコンセプトが、従来のソフトウェアライセンスを通じて社内で運用する従来型ビジネスアプリケーションのリプレースに成功していることを再確認するものだ」と述べている。
「迅速な配備が可能であり、設備とスタッフへの初期投資がわずかで済むことに加え、ソフトウェア管理の負担の減少という可能性を実現しているSaaSは、自社運用型ソフトウェアに代わる非常に魅力的な選択肢となっている」(同氏)
Evans Dataによると、SaaSの普及が最も進むと予想されるのがアジア太平洋地域だが、現時点でSaaSの実装に携わっている開発者の数が最も多いのは北米地域であり、同地域では現在の開発プロジェクトの一部としてSaaSを採用していると答えた人は30%に上った。欧州・中東・アフリカ(EMEA)地域では、現在SaaSを開発中だと答えた開発者は少なかったが、53%が12カ月以内に開発する予定だと回答した。
また、この調査によると、クラウドコンピューティングはSaaSよりも魅力が少ないようであり、クラウドサービスを利用していると答えた開発者は10%以下だった。いずれクラウドサービスを利用する予定だという回答は4分の1以上で、アジア太平洋地域ではその数字が50%近くに達した。
しかし、全地域を通じてクラウドコンピューティングに対する最大の障害がセキュリティであることも、今回の調査で明らかになった。
さらにEvansの調査によると、アジア太平洋地域では、回答した開発者の3分の2以上(68%)が開発時間の一部をリッチインターネットアプリケーション(RIA)の作成に費やしていると答えた。しかし、RIAの開発だけに携わっているという回答はわずか2%だった。
Evansの調査で取り上げられたもう1つのテーマが仮想化である。北米地域では、調査に協力した開発者の37%が、現在進めている開発作業には何らかの仮想化技術が関連していると答えた。EMEA地域では仮想化でVMwareのツールを利用するユーザーが多いが、Microsoftのツールも僅差で接近しており、両社の製品がほかの各社のブランドを大きく引き離していることも調査で明らかになった。
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