SRAは1月14日、C++で記述されたGUIフレームワーク「Qt」のビジネス体制強化を発表した。これは、フィンランドのNokiaがQtのライセンスにLGPL(Lesser General Public License)を追加すると宣言したのを受けてのもの。
従来は有償ライセンス(CommercialLisence)とGPL(GNU General Public License)の2つのライセンス形態で配布されていたQt。GPL版では独自開発部分のソースコードも公開する必要があり、これがQtの伸び悩んでいた要因の1つだった。
Qtの最新版であるバージョン4.5でLGPLが追加されたことで、Qt自体に改変を加えない場合は独自開発部分のソースコードの公開を強制されることなくビジネスを展開できるため、Qtの採用が促進されるとみられている。
今回SRAでは、従来のサポートサービスに加え、LGPL版のサポートサービスも開始した。併せてQt関連のビジネスを推進していく意向で、TRON系OSへのQt移植の検討や日本のニーズに対応したパッケージおよびサービスの開発も検討しているという。同社は2009年度のQt関連ビジネスの売り上げを10億円と計画している。
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