ウィルコム、データと通話の料金プランを改定へ:PC接続でも変わらず
ウィルコムは、PCと接続した利用を含めたデータ通信料金について、月額2800円を上限とする内容に改定した。他社携帯電話あての通話料を割引するプランでも無料通話分を増やす。
ウィルコムは1月22日、通信料金の改定や新サービス、端末について発表した。携帯電話各社とのデータ通信競争が激化する中、料金の値下げで対抗する。
料金の値下げは2月5日に実施し、データ通信では利用パケットに応じて月額1050〜3800円としていた従来の内容から、0〜2800円へ大幅に引き下げる。また、PHS以外の通話料金を割安にする「通話パック」では、月額基本料1050円に含まれる無料通話分を従来の1050円から2100円に改め、実質的に値下げする。
データ通信のオプションで提供する「無線LANオプション」では、3月から追加料金なしで東海道新幹線の各駅とN700系車両使った列車内で接続できるようにする。
移動体データ通信サービス市場では、携帯電話各社が通信速度の高速化や値下げを進めていることで、2008年後半にはウィルコムの契約回線数が一時的に純減するなど、同社は苦戦を強いられている。
会見した喜久川正樹社長は、「不況時は特に企業でのコスト削減意識が強まる。モバイルデータ通信市場の開拓者としては、サービス品質の向上や使いやすい料金体系に徹することで、ユーザーが安心して利用できる環境を広げる」と話した。
新サービスでは、PHSとしては初の電子マネーサービス「ウィルコムICサービス」を春から始めるほか、同サービスに対応する京セラ製端末「BAUM」と「W340K」の2機種を紹介した。
次世代PHSは順調
喜久川氏は、今秋にも正式サービスを始める予定の次世代PHSサービス「WILLCOM CORE」の進捗についても説明した。同社は2008年12月19日に総務省から基地局と端末の無線周波数免許の交付を受けた。
すでにWILLCOM COREの基地局を同社屋上に設置して運用試験を始めた。端末についても開発ペースは順調だという。喜久川氏は、「WILLCOM COREに使う基地局の選定とバックボーン回線の光ファイバ化はすでに完了し、スケジュール通り」だと話した。
試験サービスは、4月下旬にもJR山手線の内側をエリアとして、データ通信カード端末を用いて開始する。このほか、山形県新庄市と京都市、広島市立大など共同でWILLCOM COREのインフラを利用した地域情報化に関する実験を各地で行っている。
正式サービスに併せて、同社では携帯電話網や無線LAN網に相乗りできるデータ通信サービスを計画。携帯電話網との連携はすでに一部報道で伝えられたが、喜久川氏はこれを公式に認め、「ユーザーが密集する通信に強いPHSと広域展開に強い携帯電話の双方の特徴を生かしたサービスを検討しており、携帯電話会社数社と交渉中だ」(同氏)と述べた。
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