Citrix、クライアント側ハイパーバイザー開発へ
Citrix Systemsは「XenDesktop」を発展させたデスクトップ仮想化ビジョンを発表した。Intelと提携し、クライアント側のハイパーバイザーを開発する。
Citrix Systemsは米国時間の1月21日、次世代のデスクトップ仮想化ビジョン/ロードマップ「Project Independence」(開発コード名)を発表した。自社デスクトップ仮想化「XenDesktop」を発展させるもので、米Intelとの協業によりクライアントハイパーバイザーを開発する。
Citrixは昨年、オープンソースのハイパーバイザー技術「Xen」ベースのデスクトップ仮想化技術としてXenDesktopを発表しており、Project Independenceはこれを発展させるもの。XenDesktopと「Citrix Delivery Center」を組み合わせ、ノートPCを利用するモバイルユーザーにもデスクトップ仮想化のメリットを拡大するという。
これに当たり同社はIntelと提携し、「Intel vPro」を利用する「Core2」「Centrino2」向けにXenクライアントを最適化する。vProと「Intel Virtualization Technology」の両ハードウェア技術と自社ハイパーバイザー技術を組み合わせ、クライアント側のハイパーバイザーを開発する。
クライアントハイパーバイザーにより、デスクトップPCおよびノートPCで複数の仮想環境を安全かつ隔離した形で動かすことができるという。性能、モバイル対応などを強化できるのに加え、中央からデスクトップイメージの配信と管理を行うことで、安全性、容易さ、コスト効果などのメリットもあるという。現在、多くの企業ユーザーが場所や端末を問わずにメールにアクセスできる状況にあるが、これを企業デスクトップとアプリケーションにも拡大するとしている。
vPro向けに最適化したXenクライアントハイパーバイザーを含むProject Independenceは、2009年後半に提供を開始する予定。
編集者の一言
クライアントハイパーバイザーと呼ばれる分野の動きが活発になってきています。VMwareとCitrixがこの動きをけん引していますが、Intelの動きに注目も集まっています。Intelは自社で保有するVMware株を売却しているという報道もあり、今回の発表は、クライアントハイパーバイザー分野においてCitrixとIntelの密接な関係が構築されつつあることを伺わせます。今後の動向に注目しましょう。
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