CiscoがRichards-Zetaを買収――建物とITインフラのCO2削減を目指す:エネルギー問題に先行
Cisco Systemsは、Richards-Zeta Building Intelligenceの買収を完了した。Richards-Zetaは、建物管理データをIT向けのフォーマットに変換するインテリジェントミドルウェアを開発する非公開企業。同社の技術は、「Cisco EnergyWise」や「Cisco Connected Real Estate」などのソリューションをサポートする。
Cisco SystemsによるRichards-Zeta Building Intelligenceの買収は、新市場に素早く進出し、市場の変化に便乗することを狙った同社の「自社開発・買収・提携」戦略に沿ったものだ。
CiscoとRichards-Zetaは1月27日に契約手続きを完了した。エンタープライズネットワーキング分野の巨大企業Ciscoは、今回の買収金額を明らかにしなかった。
Richards-Zetaのミドルウェアは、拡張性を備えたオープンなプラットフォームで、建物のインフラシステムとITアプリケーションを共通のIPネットワークに統合することを可能にする。これにより、建物のエネルギー消費管理の効率化、二酸化炭素排出量の削減、それに伴うコスト削減を実現するという。
Ciscoのエマージングテクノロジーグループのマーティン・デビア副社長は「エネルギー消費は世界的な問題であり、統合IPアーキテクチャによるエネルギー管理サービスを実現したいという顧客の要求が高まっている。このニーズに応えるプラットフォームが、インテリジェントなIPネットワークである」と発表文で述べている。
Richards-Zetaは、Ciscoのエマージングテクノロジーグループに統合される。同グループはCiscoのGlobalisation Centre Eastに所属し、デビア氏が統括する。
エマージングテクノロジーグループは新規ビジネスを開拓する部門で、収益を生み出すとともに、Ciscoの新市場進出を推進する。Ciscoでは、現在の経済危機と環境問題に直面する顧客企業にとって、コストの削減とCO2の排出削減が重要な課題になっていると考えている。
Richards-Zetaのミドルウェアに最初に課せられた役割は、Ciscoの「Connected Real Estate」と「EnergyWise」をサポートすることである。EnergyWiseは、電話機やコンピュータ、アクセスポイントなどのIT機器のエネルギー消費量を能動的に測定、削減する技術。Richards-Zetaのソフトウェアは、EnergyWiseおよびその他の業界パートナーソリューションと連携し、建物とITインフラのエネルギー効率の改善をもたらすものと期待されている。
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