Windows XPがexFATに対応
Microsoftは、同社がリムーバブルメディア向けとして開発しているファイルシステム「exFAT」をWindows XPで利用するためのアップデータの配布を開始した。Windows XP SP2以降で適用可能。
Microsoftは1月27日、Windows XP用アップデータ「Windows XP用の更新プログラム(KB955704)」の配布を開始した。同アップデータにより、同社がリムーバブルメディア向けとして開発しているファイルシステム「exFAT」がWindows XPでもサポートされる。アップデータはWindows XP SP2以降で適用可能。
現在、USBメモリやSDカードといったリムーバブルメディア向けのファイルシステムとしては「FAT32」が用いられることが多い。しかし、FAT32では1ファイル当たりの最大ファイルサイズが4Gバイトに制限されているほか、Windows上からは32Gバイト以上のボリュームをフォーマットできない。市場では32Gバイト以上のリムーバブルメディアも登場しており、FAT32の抱える問題を解消するリムーバブルメディア向けファイルシステムが期待されている。
exFATは、先日行われた2009 International CESで、SDHCに変わる次世代SDカードとして発表された「SDXC」のファイルシステムにも採用された。SDXCの市場投入が開始されれば、exFATのサポートは重要な要素になると予想される。
Windows VistaではSP1でexFATをサポート済みで、Windows 7などでもデフォルトで対応するとみられている。一方、Windows XPもサポート提供期間が2014年4月8日まで延長されており、今後も多くのユーザーが使い続けるとみられる。Windows XPにバックポートする形でサポートされたexFATだが、このことはWindows XPユーザーの存在感が今なお無視できないものであることを示している。MacやLinuxといったプラットフォームでexFATが扱えるようにするための取り組みも同社には期待したい。
関連記事
- FUSE経由でZFSを使う
LinuxカーネルではサポートされていないZFSだが、ZFS_on_FUSEを使えばLinuxでも用いることができる。読み取りを多く行う用途であれば、FUSE経由でZFSを使用することによる速度的なマイナスはない。 - xfs_fsrを使ってXFSファイルシステムをベストの状態で使用する
大規模なファイルの保存/アクセスで性能を発揮するXFSファイルシステム。フラグメント化したファイルをデフラグするユーティリティ「xfs_fsr」を使えばシステムの性能を向上させることができる。 - ext3の後継者争いも激化の方向に
この春にリリースされるFedoraやUbuntuの新バージョンでは、ext4のサポートが進んでいる。ext3の後継ファイルシステムについて2009年は議論が進みそうだ。 - SunのSSDはSolarisとZFS統合、2008年後半リリース
- HFS、HFS Plusの基本的概念【前編】
Mac OS XのデフォルトファイルシステムHFS Plus。今回はその基本的概念をはじめ、HFSおよびHFS Plus共通の機能を解説する。 - HFS、HFS Plusの基本的概念【中編】
Mac OS XのデフォルトファイルシステムHFS Plus。今回もHFSおよびHFS Plus共通の機能を解説していく。 - HFS、HFS Plusの基本的概念【後編】
Mac OS XのデフォルトファイルシステムHFS Plus。前編、中編とHFSおよびHFS Plus共通の機能を解説してきたが、基本的概念の紹介は今回で終わりとなる。今回は、リソースフォークを中心に解説する。 - NovellがReiserFSからext3に乗り換え
Novellは、次期バージョンのSUSEで、デフォルトのファイルシステムをReiserFS 3からext3に変更する。この動きに至るまでの経過をたどってみよう。 - Vistaの大本命「WinFS」を開発中止に追い込んだMSの企業文化とは?
かつてWindows Vistaの3本の“柱”の1つと謳われていたデータベースとファイルシステムの統合テクノロジーWinFSの開発中止が発表された。これはMicrosoftの厳しい社内生存競争を如実に表している。 - 最大2TバイトのSDカード新規格「SDXC」
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.