レッドハット、低レイテンシを実現するRHELベースのリアルタイムOSを発表
レッドハッドは金融機関や通信業界向けに、Red Hat Enterprise Linuxのリアルタイム性能をチューニングしたリアルタイムOSをリリースした。
レッドハットは2月18日、同社が提供するRed Hat Enterprise LinuxをベースとしたリアルタイムOS「Red Hat Enterprise MRG Realtime」の提供を開始した。同社がクラウドコンピューティングの一翼を担う技術として注目するテクノロジー群(Messaging、Realtime、Grid)の頭文字をとったMRG(マージ)と呼ばれるスイート製品群の1つ。
金融機関や通信業界向けにRed Hat Enterprise Linuxのリアルタイム性能をチューニングしたもので、Linuxカーネル2.6.24.7をベースに優先度ハンドリングやスケジューラなどを拡張したリアルタイムカーネルのほか、リアルタイムチューニングのためのユーティリティ、チューニングのためのドキュメントが含まれる。これにより、応答時間の予測性を高め、リアルタイム性の高いローレイテンシ(低遅延)の実行処理が可能になるとしている。
実行環境やシステムユーティリティ、glibcの実行ライブラリなどはRed Hat Enterprise Linuxとの互換性を備え、アプリケーションはリコンパイルなどを必要としない。また、IBMのWebSphere Real Timeと組み合わせればJavaを用いたリアルタイム処理の適用領域拡大にも有効であるという。
サーバ単位のサブスクリプションサービスが2種用意され、サポートの受付時間で差別化されている。スタンダードは25万8000円、プレミアムが35万8000円。有償の導入コンサルティングサービスも用意されている。
関連記事
- 米Red Hat、グリッドを正式サポートした「MRG 1.1」を発表
Red Hat Enterprise MRGの最新版がリリースされた。プレビューとして提供されていたグリッドに完全対応し、既存インフラを活用して高性能なグリッドを構築できる。 - Red Hat、Red Hat Enterprise Linux 5.3をリリース
Red Hat Enterprise Linuxの最新版となるバージョン5.3では、仮想化機能が強化されたほか、Core i7への対応も果たした。マイナーバージョンアップだが、Fibre Channel over Ethernet(FCoE)なども試験的にサポートするなど変化も多い。
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.