スパム攻撃者が攻撃手段をバックアップできるようにしているという。米Symantec傘下のメッセージラボは、6月の脅威動向をまとめた報告書の中でこのように指摘した。
米カリフォルニア州の悪質なインターネットサービスプロバイダー(ISP)とされたPricewertが6月5日に閉鎖され、スパムメールを大量送信しているとみられるボットネット「Cutwail」が一時的にダウンしたという。
これにより、スパム流通量は一時的に減少したが、わずか数時間で流通量が再び増加した。2008年11月にも同様のIPSとされたMcColoが閉鎖されたが、この時は数週間にわたってスパム流通量の減少が続いた。
シニアアナリストのポール・ウッド氏は、「Cutwailはわずか数時間で3分の1の規模を取り戻しており、McColo閉鎖の経験から攻撃者がボットネットをバックアップさせる必要性を学んだようだ」と、リポートの中で指摘している。
電子メール全体に占めるスパムの割合は90.4%で、このうち83.2%がボットネットから送信されていた。5月以降に増加している画像スパムの割合も8〜10%に上った。
また、インスタントメッセージ(IM)の405通に1通の割合でリンクが含まれており、過去6カ月で78%増加した。リンクの中には悪質サイトに誘導するものも多数含まれているとみられ、平均すると80人に1人が悪質なリンクを含んだIMを毎月1通件以上受け取っているという。
関連記事
- 米連邦地裁が悪徳ISPに業務停止命令、FTC発表
米連邦取引委員会(FTC)は、マルウェア感染サイトや詐欺サイトなどの運営に加担していた悪徳ISPを閉鎖に追い込んだと発表した。 - 画像スパムが再浮上、自動車大手の破綻やTwitter人気に便乗も――Symantec報告書
Symantecは5月のスパム動向とフィッシング動向について解説した報告書を発表した。 - スパム流通量が激減、米大手ISPが業者の接続遮断
スパムメールやマルウェアを大量に配布していたMcColoという業者が、米大手ISPに接続を遮断された。
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.