いよいよ普及しつつあるクラウド利用――活用の要は、システム連携と管理環境の強化:データから見る日本企業のソフトウェア活用
ITmediaの調査によると、クラウド導入に取り組み始めた、もしくはすでに導入している企業は60%にも上っている。しかし、多くの企業がシステム連携とその運用管理を課題として捉えていることが分かった。
ITmediaが実施した「企業におけるソフトウェア活用に関する調査」(2010/12/8〜16実施、回答数634)では、クラウドコンピューティングの導入に関して以下のことが分かった。
- クラウドの利用は徐々に進んでいる
- システム連携とその管理がクラウド導入の障壁と意識されている
グラフ1によると、利用計画がない企業と調査検討中の企業が全体の7割以上を占めており、クラウドの利用はまだまだ浸透しているとはいえない段階であることが分かる。ただ見方を変えると検討段階も含めれば6割以上の企業がクラウドに対して何らかの取り組みを進めているとも言える。実際に利用している企業と具体的な利用計画がある企業を合算すると全体の2割に達しており、クラウドコンピューティングは、かつての「バズワード」からは脱却しつつあると言えるだろう。
クラウドの利用形態は、不特定多数のユーザーでリソースを共有するパブリッククラウドと、自社内にシステムを構築するプライベートクラウドの2つに大別される。パブリッククラウドでは自社でシステムを持たないことから得られるコストメリットの半面、運用ポリシーがクラウド事業者に依存するためセキュリティ面が懸念される場合がある。逆に、プライベートクラウドでは社内でクラウド構築するため自社の要望に沿ったポリシーで運用できるが、その分コストはかかってしまう。
そこで現実的な解決法として注目されているのが、両者を組み合わせた第三のクラウドともいうべきハイブリッドクラウドだ。定型業務はクラウド事業者の持つシステムで、機密性の高いデータを扱う業務は社内のシステムで運用することで、パブリック、プライベートのそれぞれのメリットを得ようという考え方だ。
このハイブリッドクラウドの実現に向けて企業が抱えている課題についての回答はグラフ2のようになっている。これによるとシステム連携が複雑になることを課題として挙げる企業が最も多く、次いで運用コスト、運用管理の複雑化、初期導入コストとなっている。この結果から、技術的側面において、社内外のシステム連携や管理の複雑さが、クラウド導入の障壁になっていると言える。
さらに、クラウドへの投資を有効なものにするためには、導入後の運用管理にも目を向けなければならない。全体像を的確に捉えながら、市場の変動に応じたダイナミックな変革に対応できるシステム構築が求められる。
ビジネスの変化に対応するためには必要なサービスを最適のタイミングで利用できるシステムを構築しなければならない。それにはまずリソースを迅速にプロビジョニングすることで素早く滞りなくサービスを開始できるようにする必要がある。また、稼働中もリアルタイムのモニタリングにより最適なパフォーマンスを出せる環境を維持することが重要になる。さらに、稼働状況の効果測定を行い、より効率的なシステムに改善していくことも忘れてはならない。
資料「コントロールを維持しながらクラウド・コンピューティングを最大限に活用する方法」のダウンロードはこちらから
このようなクラウド導入から活用に至るまでのプロセスの中でカギになるのが適切なソフトウェアの利用だ。IBMのエバンジェリストにポイントを聞いた。
エバンジェリストインタビュー
――どのようにクラウド化に取り組めばよいでしょう。
米持 クラウドコンピューティングは企業システムにさまざまなメリットをもたらしますが、業務の性質によっては必ずしもクラウド化することだけがベストの選択ではない場合があります。既存のオンプレミスアプリケーションを活用しながら、外に切り出しやすい部分はクラウド化してコスト削減や運用負荷軽減を実現する、ハイブリッドクラウドは現実的な解決策の一つになるでしょう。
――クラウド導入に関して、どのようなことがポイントになるでしょう。
米持 課題となるのはクラウドとオンプレミスのアプリケーション統合です。これらがうまく連携していないと、クラウドを導入しても、データの受け渡しに手間がかかり、結果として利便性を損なうことにもなりかねません。また、2つの環境が混在するため、管理も複雑化します。管理の複雑化はビジネス全体の動きを鈍くします。競争力のあるクラウドを作るためには管理負荷を軽減し、迅速に改善のプロセスを進められるシステムでなければなりません。これらの課題を解決するにはソフトウェアを活用することが近道と言えるでしょう。
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提供:日本アイ・ビー・エム株式会社
アイティメディア営業企画/制作:ITmedia エンタープライズ編集部/掲載内容有効期限:2011年2月28日
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