自粛を自粛せよ――“悪魔のサイクル”から脱し、復興を目指すために:オルタナブログ通信(1/4 ページ)
ビジネス・ブログメディア「ITmedia オルタナティブ・ブログ」では、約240人のブロガーによって、ITにまつわる時事情報などが日々発信されている。その中から今回は、「デマ情報」「被災地のペット」「仕事」「自粛」などを紹介しよう。
ネットにつながらない意外な原因とは?
3月28日にアルメニア共和国全土で12時間以上にわたってネットに接続できないという事故があったそうなんですが、その原因はなんと、75歳のお婆ちゃん
斉藤徹氏「In the looop」の3.11 ソーシャルメディアの光と陰、これからのことで「大混乱の中、Twitterは家族や友人との連絡を取れる手段として貴重な情報パイプラインとなった」と語られたように、未曾有の大震災時にソーシャルメディアが果たした役割は大きい。確かに、「その一方で『製油所の火災で千葉に有害物質の雨が降る』『埼玉の水は危険だ』『筑波大学の連絡で一時間後に茨城にも放射能が来る』などの根拠のない悪質なデマが、Twitterやチェーンメール上を飛び交った」というマイナス面もあったが、インターネットが有効に使われた側面があることは間違いない。
しかし、これはあくまでもネットにつながることが前提の話。斉藤氏が指摘するように、仮にネット環境が生きていたとしても「ソーシャルメディアはもちろん万能ではなく、普及も限定的」だし、今回の震災では「宮城県、岩手県などでは通信インフラが破壊されたエリアが多く、被災地において利用可能な人は相当限られてしまう」からだ。
佐藤由紀子氏「海外速報部ログ」のアルメニアで大規模ネット遮断 原因はお婆ちゃんのシャベルは、ネットが意外な原因で遮断された事例を紹介した。事故の原因は、東日本大震災のような自然災害ではなく、「お隣のグルジア共和国で生活の足しにしようと銅線拾いをしていた75歳のお婆ちゃんが『こんなところに立派な銅線が〜』とシャベルでがしがし(ケーブルを)切っちゃったから」だという。「グルジアはアルメニアのインターネット接続の90%をまかなっている」ため、ネット接続が遮断されてしまったというわけだ。佐藤氏は、犯人のお婆ちゃんには「事の重大さは分からない」可能性が高く、「どちらかというとお婆ちゃんでも見つけられるような施工をした側に責任を問うべき」と言っており、筆者も同感だ。
管理会社は「安全なはずのケーブルをお婆さんがどうやって見つけたのか分からないが、厳しい気候と土砂崩れによって露出していたのかもしれない」とコメントしたそうだが、それくらいで露出するようでは、今後も不安だ。
日本は今回の震災でもネットは生きているところが多かったが、インフラ整備についてはしっかりしていただきたいとあらためて考えさせられた。
新年度スタートでエントリー数は減少?
今回の「オルタナブログ通信」は、4月7〜13日にかけて「オルタナティブ・ブログ」へ投稿されたエントリーの中から、、「デマ情報」「被災地のペット」「仕事」「自粛」といったテーマを紹介する。読者がオルタナティブ・ブログを読む際の参考にしてほしい。
それでは、4月7〜13日を4月2週とした、過去8週分のオルタナティブ・ブログへの投稿状況グラフを見ていただきたい。
前回に引き続き投稿されたブログ数が微減し、久しぶりにエントリー総数も200を割り込んだ。震災後かつ新年度スタートという異例の事態もあり、ブログを書く余裕がなかったのだろうか。
次に、全エントリーのキーワードランキングを見ていただきたい。
順位 | キーワード(カテゴリー) | エントリー数 | 先週順位 |
---|---|---|---|
1 | 社会 | 90 | →(1) |
2 | ビジネス | 50 | →(2) |
3 | イベント | 26 | ↑(4) |
4 | ストリーミング・動画 | 23 | ↑(5) |
5 | 19 | ↓(3) | |
6 | テクノロジー | 17 | ↑(14) |
7 | ソーシャルメディア | 15 | ↓(6) |
8 | 書評・本 | 11 | →(8) |
9 | 音楽 | 10 | ↓(8) |
10 | 雑感 | 9 | →(10) |
エントリー総数が減っているため、いまだに震災関連のエントリーが目立つものの、平常に戻りつつあるのが伺える。「イベント」関連――セミナーであったり、朝カフェであったり――が増えてきたことは、何となく安心感を与えてくれた。
ベスト10以下には、同率11位に「グローバル」「ネットワーキング」(8)、同率13位に「Android」「Facebook」「調査・統計」「モバイル」(7)と続いている。
それではオルタナブロガーが4月7〜13日にどのような話題を取り上げたのか、振り返ってみよう。
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