Mozilla、「Firefox 5」の正式版をリリース Android版にも「Do Not Track」
Firefox 5の正式版が「6週間サイクル」でのスケジュール通り公開された。Firefox 4で追加された「Do Not Track」の設定が、より分かりやすくなった。
Mozillaは6月21日(現地時間)、Firefox 5の正式版をリリースした。日本語を含む80カ国語に対応したWindows、Mac OS X、Linux版をMozillaのWebサイトからダウンロードできる。Firefoxユーザーは、[ヘルプ]→[Firefoxについて]からアップデートできる。また、Android版も同日公開された。Android Marketからダウンロードできる。
主な変更点は、CSSアニメーションのサポート、パフォーマンス向上のためのHTTPアイドル接続方式の調整、Canvas、JavaScript、メモリ、ネットワーキングの強化、HTML5やXHRなどのWeb標準のサポート強化など。ユーザーインタフェースに大きな変更はないようだ。
プライバシー強化の観点からは、Firefox 4から追加されたいわゆる「Do Not Track」機能の設定が、[ツール]→[オプション]→[プライバシー]の[トラッキング]にチェックするだけで有効にできるようになった。同機能は、広告サイトなどがユーザーに最適化した広告を表示するためにユーザーの情報をトラッキングすることを拒否できるようにするもの。Firefox 4では設定画面の分かりにくい位置にあった。マルチプラットフォームでDo Not TrackをサポートしたのはFirefoxが初めてだという。
セキュリティ関連では、Webブラウザで3Dグラフィックスを表示するための標準規格「WebGL」を使ったコンテンツでクロスドメイン情報流出の恐れが指摘されたことから、Firefox 5ではクロスドメイン要素が利用できないようにした。ただこれによって、WebGLを使ったページの一部が機能しなくなる可能性もあるとしている。
WebGL関連では、境界外メモリ参照および不正なメモリ書き込みに起因する深刻な脆弱性も修正された。この問題を含めてFirefox 5では合計8項目の脆弱性に対処し、メモリ破損問題や整数オーバーフロー問題など、任意のコード実行につながる可能性のある深刻な脆弱性を解決している。
また、Firefox 3のアップデートとなる3.6.18も併せてリリースされ、同じ脆弱性が解決された。
MozillaはFirefoxのリリースサイクルの短縮を図っており、「Nightly」「Aurora」「Beta」というチャンネルを経て正式版のリリースとなる。Firefox 5のAurora版は4月12日に、Beta版は5月17日に公開され、正式版の6月21日の公開は予定通りだった。
Android版でもDo Not Track機能が追加されたほか、3G環境でのレンダリング速度向上、パニングのレスポンス改善、SwiftyKeyキーボードとの互換性改善などが行われた。
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