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2012年のクラウドトレンドを予測する:クラウド ビフォア・アフター(1/3 ページ)
クラウドの第一人者林雅之氏が、ビジネス視点、技術・サービス視点から、2012年の「クラウド」のトレンドを解説する。
2015年までにクラウド市場は大きく成長し、中でも2012年はクラウドサービスの本格的普及に向けた重要な年になるだろう。
調査会社が予測するトレンド
調査会社のガートナーは2011年12月14日、「Gartner Predicts 2012」を発表した。これは2012年以降にIT部門およびユーザーに長期的かつ大きな変化を与える重要な展望であり、クラウドについては以下の3つを予測している。
- 2015年までに、低コスト・クラウドサービスがアウトソーシング大手企業の収益の最大15%まで食い込む
- 2016年までに、企業の40%がすべてのタイプのクラウドサービスの利用に際し、独立した機関によるセキュリティテストの結果をクラウド選定条件にする
- 2016年末には、Global 1000企業の半数以上が顧客に関する機密データをパブリッククラウドに格納するようになる
一方調査会社IDC Japanは、2011年11月9日に発表した「国内クラウドサービス市場予測」で、2010〜2015年の市場年間平均成長率が41.2%、2015年の市場規模は2010年比5.6倍の2550億円になると予測している。中でも2012年は前年比成長率が最も高くなり、クラウドサービスの本格的普及に向けた重要な年になると予測している。
これを踏まえて、2011年12月15日に発表した2012年における国内IT市場でキーとなる技術や市場トレンド、ベンダーの動きなどをまとめた「2012年国内IT市場の主要10項目」では、クラウドについて以下の3つを挙げている。
- クラウドサービスがITのモダン化を加速させ、「モダンPaaS」を創生する
- ハイブリッドクラウド時代を迎え、クラウドサービス向けIT市場のフレームワークが形成される
- 事業継続/災害対策ソリューションは仮想化技術の進展とクラウドサービスの成熟によって再構築が進む
ITのモダン化=手段の目的化ではなく経営上の目的を達成することを優先したIT投資
次ページからは、国内クラウドについての予測とその具体的な動きを解説する。
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