Microsoft、「Windows Phone 8」発表 「Windows 8」とカーネル共有で最大64コア対応
「Windows Phone 8」はWindows CEではなくWindows 8とカーネルを共有し、マルチコアやNFCに対応し、720pを含む3サイズの画面解像度をサポートする。
米Microsoftは6月20日(現地時間)、サンフランシスコで開催の「Windows Phone Summit」において、次期モバイルOS「Windows Phone 8」(コードネーム:Apollo)を発表した。ハードウェア、ソフトウェアともに大幅に強化されたものになり、現行端末からのアップグレードはできない。
Windows Phone Program Management担当副社長のジョー・ベルフィオーレ氏はWindows 8とのカーネル共有を「Shared Windows Core」と説明し、カーネル、マルチメディア機能、セキュリティ機能など多くのコンポーネントをPCとモバイル端末で共通にすることで、ハードウェアメーカー、アプリ開発者、ユーザーのすべてにメリットを提供できるとした。
同モバイルOSのリリースはWindows 8と同時期の今秋になる見込みだ。現行の「Windows Phone」搭載端末はWindows Phone 8にはアップグレードできないが、Windows Phone 8リリース後に「Windows 7.8」へのアップデートが実施される。
Windows Phone 8の主な新機能は以下の通り。2月のリーク情報はほぼ正しかったようだ。
- マルチコア対応:理論上では64コアまでサポートするという
- 複数解像度に対応:画面解像度として従来の800×480(15:9)に1280×768(15:9)、1280×720(16:9)が加わった
- microSDカード:ストレージとして利用できる
- NFC対応:Officeドキュメントや画像を手軽に転送できる
- モバイル決済機能:クレジットカードやクーポン、搭乗券などを保存し、NFCによる決済が可能な「Wallet」機能を搭載
- アプリ内決済に対応
- Internet Explorer 10:Windows 8と同じコアのIE 10を標準で搭載する
- 新地図機能:Nokia Mapsの機能を統合したことで、詳細な地図、道案内機能、オフライン地図機能などが利用できる
- マルチタスク強化:ナビゲーションなど位置情報ベースのアプリやSkypeのようなVoIPアプリがバックグラウンドで稼働できるようになった
- スタート画面のカスタマイズ機能の向上:タイルのサイズ変更や色変更がよりフレキシブルになった
企業向け機能としては、以下のような機能が追加された。
- BitLockerによる暗号化
- United Extensible Firmware Interface(UEFI) Secure Bootのサポート
- Windows PC向けと同じリモート管理機能
- Company Hub:企業が従業員のWindows Phone 8端末にアプリをインストールしたり端末を管理したりするための機能
開発者向けのSDKおよびVisual Studio 11ベースの開発ツールは今夏に提供。搭載端末はまず、Nokia、Huawei、Samsung Electronics、HTCが発売する見込みだ。これらの端末はすべて、Qualcommの次世代CPUを搭載する。
Windows Phone Summitのすべてのセッションは特設ページでストリーミング視聴できるようになる予定だ。
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