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Ustreamのヒューゴー賞授賞式生中継が中断 原因は著作権侵害検出ツール
優れたSF作品に贈られるヒューゴー賞の2012年度の授賞式がUstreamでライブ中継されたが、式中に放映された動画を自動著作権侵害検知システムが検知し、中断してしまった。
米Ustreamは9月3日(現地時間)、2日夜のヒューゴー賞授賞式の生中継が中断してしまったことを謝罪した。原因は、サードパーティー製著作権侵害自動検出ツールが授賞式で放映された動画が著作権で保護されているものであることを検知したことによるという。
ヒューゴー賞は、SF界のアカデミー賞と称される権威ある賞。シカゴで開催された授賞式の様子がWorldcon UStream Channelでライブ中継されたが、短編映像部門受賞作品の脚本を書いた作家のニール・ゲイマン氏のスピーチの最中に中断した。
同氏のスピーチの前に放映された受賞作品(BBCのテレビドラマ「ドクター・フー」の「The Doctor’s Wife」というエピソード)動画を、米Vobileのツールが著作権侵害と判断して中継を切ったという。Ustreamのチームは大量の怒りのツイートでトラブルに気付いて復旧しようとしたが、授賞式終了までに間に合わなかったとして謝罪した。
Ustreamは、Vobileのツール利用を一時的に中止し、同じような事故が起きないよう調整するとしている。なお、広告フリーの有料版「Pro Broadcasting」であれば、自動的にホワイトリスト化されているため、こうした事故が起きる恐れはないという。
2012年度のヒューゴー賞の主な受賞作品は以下の通り。
- 長編小説部門:ジョー・ウォルトン「Among Others」
- 中長編小説部門:キジ・ジョンソン「The Man Who Bridged the Mist」
- 中編小説部門:チャーリー・ジェーン・アンダース「Six Months, Three Days」
- 短編小説部門:ケン・リュウ「The Paper Menagerie」
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