「顧客や社員を巻き込め」── ソーシャルでビジネスを変革する健康保険会社や老舗百貨店:IBM Connect 2013 Orlando Report(2/2 ページ)
フロリダ州オーランドの「IBM Connect 2013」は2日目を迎え、ソーシャルソフトウェアを活用して顧客や社員らを巻き込み、ビジネスを変革している先進企業の事例が紹介された。
老舗百貨店がソーシャルで顧客に敏感な組織づくりへ
創業175年、オーストラリアの老舗百貨店、David Jonesは、ソーシャルソフトウェアを社員とのコミュニケーション活性化に役立てている。
世界のCEOを対象に調査した「IBM Global CEO Study 2012」によれば、70%のCEOが持続的な経済価値の創出に最も貢献しているのは人材だと回答している。優れた人材を採用し、育て、さらに流出を防ぐことは、優れた製品やサービスを生み、売り上げの拡大につながるからだ。特にリテール分野では、顧客と接する社員が重要な役割を担う。
David Jonesで人材の流出防止を担当する人事部のマネジャー、マリー・フォティ氏は、「社員がいつでもどこからでもアクセスできる双方向のコミュニケーションインフラ」を目指し、プロジェクトを開始する。David Jonesは36店舗を展開し、現在約8000人が働いているが、昨年10月、先ずは手始めに約1000人を対象にしてIBM Connectionsをパイロット導入した。
「Thread」と名付けられたコミュニティーは、64%が週に2回以上アクセスし、55%が双方向のコミュニケーションを円滑にしていると回答するなど、評価も上々の滑り出しだ。
「Threadによって、ナレッジが高まり、経営層とも直接つながりが持て、何よりコミュニティーに所属して一緒に働いているという意識が醸成されている効果は大きい」とフォティ氏は話す。
今年の夏には社員の75%が利用できるように導入を拡大する計画だ。
「単に人材の流出を防ぐだけでなく、次の175年に向け、顧客ニーズの変化に敏感に対応できる柔軟な組織づくりを目指し、ソーシャルビジネスの基盤を整えていきたい」(フォティ氏)
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