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第3回 新たなパラダイムを生むPureApplication System、パターンで企業の情報システムを変革PureSystemsが生まれたワケ(3/3 ページ)

続々と新たなモデルが追加されるPureSystemsファミリー、それはハイブリッド化されたzEnterpriseメインフレームと同じ思想で開発され、オープン系分散型システムの混沌を解決しようと生み出された。短期連載の最後は、パターンで情報システムを劇的に変えるPureApplication Systemを中心に見ていこう。

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 PureSystems Centreが、まるでAppleのAppStoreのようになるかどうかは分からないが、PureApplication Systemでは企業の要件を満たす高い水準の企業アプリケーションを「システムの視点」ではなく「アプリケーションの視点」で迅速に稼働できることは強調しておくべきだろう。これまでのアプローチとは180度異なると言っていい。

 例えば、オンラインショッピングのアプリケーションは、Webサーバ、アプリケーションサーバ、データベースサーバの3層で構成されることが多いが、顧客の使い勝手を考えれば、負荷に応じてアプリケーションサーバを拡張・縮退させなければならないし、障害時には代替サーバを起動させなければならない。アクセスの負荷を分散するロードバランサーやキャッシュ、ディレクトリはもちろん、監視サーバも必要になる。従来であれば、システムの視点から1台ごと構築し、連携させていく必要があったが、PureApplication Systemではアプリケーションの視点、つまり言い換えれば、「ビジネスの視点」でポリシーを設定していけば、必要となるサーバ群が自動的にデプロイされるというわけだ。

ビッグデータ時代のデータプラットフォーム、PureData System


昨年10月、シンガポールのInterConnectで披露されたPureData System

 PureSystemsファミリーは、新たなワークロードへの最適化にもしっかりと手を打っている。

 zEnterpriseメインフレームの「ハイブリッド化」の思想は、特定用途のアプライアンスを「アクセラレーター」として取り込む機能にもよく表れており、メインフレーム本体とNetezzaデータウェアハウスアプライアンスを接続することでアナリティクスのスピードを飛躍的に高めることができる。

 PureSystemsファミリーでも、ビッグデータ分析やリアルタイム分析という新しいニーズが顕在化する中、昨年10月、第2弾としてPureData Systemが発表された。ハードウェアの性能をフルに引き出すため、資源を仮想化して管理するPureFlex SystemやPureApplication Systemとはやや趣を異にするが、専門家の知識やノウハウを生かし、迅速かつ簡単に最新のテクノロジーを活用できるようにする考え方は、ほかのPureSystemsファミリーとも共通している。PureData Systemは、高可用・高信頼が求められるOLTPアプリケーション向けの「PureData System for Transactions」、Netezzaベースの「PureData System for Analytics」、そしてリアルタイム分析向けの「PureData System for Operational Analytics」という3種類のモデルが用意され、ワークロードに応じてそれぞれのデータプラットフォームをシステムに追加すれば、迅速にパフォーマンスを改善できる仕掛けだ。

 先のオンラインショッピングのアプリケーションの例で言えば、ビジネス拡大に応じて、オーダーやクレジットカードのトランザクション管理は、PureData System for Transactionsで性能を強化し、顧客の離反防止策の検討にはPureData System for Analyticsで高度な分析を行い、クレジットカードの不正使用検知にはPureData System for Operational Analyticsを導入するといった具合だ。

 パターンも先ずはクラスタトポロジーとOLTPトランザクションの2種類が提供されており、数個のパラメーター設定で大規模で高信頼のトランザクション処理性能が実現できるという。

 「グローバル化、M&A、新規事業参入と企業を取り巻くビジネス環境は厳しさを増しており、IT、特にアプリケーションの役割はより一層高まっている。個別に構築し、運用も属人化してしまうこれまでのやり方の延長ではもはや限界だ。垂直統合やパターンという次世代のパラダイムが解決してくれるはずだ」と三戸氏は話す。

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