日本IBMがPaaSを強化、アプリの開発やライフサイクル管理を支援
パブリッククラウドサービスの新メニューとなる「IBM SmarterCloud Application Services」を発表した。
日本IBMは2月26日、PaaS型の新サービスとなる「IBM SmarterCloud Application Services」を発表した。企業向けパブリッククラウドサービス「IBM SmarterCloud Enterprise」で利用できるもので、既に提供を開始している。
新サービスでは、まず「コラボレーティブ・ライフサイクル・マネジメントサービス(CLMS)」および「IBM SmarterCloud アプリケーション・ワークロード・サービス(SCAWS)」の2種類を提供している。アプリケーションの開発や構成、運用などに必要な事前定義済みのパターンや仮想イメージも用意され、これらを活用することで柔軟かつスピーディーなアプリケーション開発や本番環境への実装などが可能になるという。
CLMSではRational製品群のうちの要件管理の「Rational Requirements Composer」、開発・リソース管理の「Rational Team Concert」、テスト管理の「Rational Quality Manager」を月額もしくは従量課金で利用できる。これらソフトウェアの機能を活用することでアジャイル開発が可能になるという。利用規模は最低5ユーザー(read/write権限)から。月額利用料の目安は8万円前後からとなっている。
SCAWSは、パターンや仮想イメージの開発・管理ツール「IBM Workload Deployer」を活用してアプリケーションの展開や管理などができる。パターンではWebSphereやDB 2、Tivoliなどの機能が用意されている。CLMSで開発されたアプリケーションをSCAWSに展開して運用する開発運用連携が可能。利用料金の目安は月額8000円前後からで、これにソフトウェアの利用料金などが加算される。
会見したスマーター・クラウド事業部 ソリューション 理事 クラウド・マイスターの紫関昭光氏は、「アプリケーションの開発や展開ではユーザー部門と開発部門、また、開発部門と運用管理部門との間にそれぞれギャップがあり、迅速な作業が困難だった。新サービスはこのギャップを解消してスピーディーな展開を実現する」と説明した。
また紫関氏は、IBMならではのPaaSの特徴として「他社サービスはパブリッククラウド環境を念頭にしているように思うが、当社はPureApplicationsといったシステムにも展開できるなど、ハイブリッドなシステム環境に適用していける」と語っている。
このほか、新サービスではパートナープログラムも展開。既に世界全体で約50社(国内は7社)が参画しており、IBMでは技術検証やプロモーション支援などを提供する。「パートナーならではのさまざまな事前定義済みのパターンも提供していく」(ISV&デベロッパー事業推進担当の佐内桐梧氏)という。
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