Raspberry Piで組み立てる“PRISM対策Torルータ”、「Onion Pi」登場
PRISM報道で個人情報保護への関心が高まる中、小型コンピュータRaspberry Piと通信匿名化ツールTorを組み合わせたTorルータキット「Onion Pi」が発売された。
米オンライン電子ガジェットショップのAdarfruitは6月18日(現地時間)、Raspberry Piで組み立てるTorルータキット「Onion Pi」を発売した。Raspberry Piを提供する英Raspberry Pi Foundationは同日、「Onion PiのTorプロキシでNSAとPRISMを撃退できる」と賛辞を送っている。
Onion Piには「Raspberry Pi Model B」、ケース、Wi-Fiアダプタ、SDカードなどが含まれており、1式90ドル。売り上げの一部はTor Projectに寄付される。Adafruitのページには、ていねいなチュートリアルも掲載されている。
Tor(The Onion Router)は、インターネットの接続経路の匿名化を実現するためのオープンソースの規格およびリファレンス実装で、タマネギの皮のように暗号化を多層に重ねる手法が名称の由来。TorのソフトウェアをPCなどに直接インストールして使うことも可能だが、Onion Piをネットルータに接続することで、PCやモバイル端末にTorをインストールせずにTorを利用できる。
利用するには、ルータにイーサネットケーブルでOnion Piを接続し、USBケーブルで電源を確保してOnion Piの電源を入れる。これでOnion Piという無線アクセスポイントが生成される。
米国では、米連邦政府がPRISMと呼ばれる極秘情報収集プログラムの下、GoogleやAppleなど9社の大手IT企業のサーバに直接接続して個人情報を収集していたと報じられ、個人情報の自衛についての関心が高まっている。
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