凍結中のMEGAUPLOADの全ユーザーデータが消失
昨年1月に著作権法違反の疑いで閉鎖に追い込まれ、現在係争中のオンラインストレージサービスMEGAUPLOADの凍結中のユーザーデータが削除された。
昨年1月に米政府当局が著作権法違反の疑いで起訴され、サービス閉鎖中のオンラインストレージサービスMEGAUPLOADに保存されていたすべてのユーザーデータが削除された──。MEGAUPLOAD創業者で現在新たなストレージサービス「MEGA」のCEOを務めるキム・ドットコム氏が6月19日(現地時間)に自身のTwitterアカウントでツイートした。
同氏は「最悪のニュースだ。LeasewebがすべてのMEGAUPLOADのサーバのデータを消去した。ユーザーデータと、われわれの弁護に必要な重要な証拠のすべてが“事前警告なしに”破壊されたのだ」としている。LeaseWebとは、MEGAUPLOADがサービス運営のために契約していたオランダのレンタルサーバ企業だ。
MEGAUPLOADは、ライセンス付きコンテンツの無断アップロード先として利用されることがあったため、2012年1月19日に米司法省(DOJ)と米連邦捜査局(FBI)がドットコム氏を含むMEGAUPLOADの関係者7人と企業2社を、オンライン著作権侵害などの疑いで起訴し、サービスを閉鎖した。この訴訟はまだ係争中で、証拠ともなるユーザーデータは凍結されていた。
ドットコム氏のツイートを受け、LeaseWebが公式ブログで反論した。
それによると、MEGAUPLOADが閉鎖された段階で、MEGAPLOAD自身が運営していた60台のサーバが米政府当局に差し押さえられ、米国内に運ばれた。それとは別に、MEGAUPOADはLeaseWebから630台のサーバをレンタルしていたが、サービス閉鎖後、レンタル料の支払いも中断されたという。MEGAUPLOADからはその後、何のリクエストもなかったが、LeaseWebは料金未徴収のまま1年間、自らのコストでサーバを保持した。1年経過した段階でMEGAUPLOADにサーバの再プロビジョニングの計画を通知したが、MEGAUPLOADからは反応がなかったため、2013年2月に630台のサーバの再プロビジョニングを実行した。
これに対しドットコム氏はツイートで「Leasewebは米連邦裁判所がMEGAUPLOADのユーザーデータについての判決を出すまで待てたはずだ。資産の差し押さえが解かれればわれわれが料金を支払うことも分かっていたはずだ」と主張し、LeaseWebを提訴する方策を探すと語った。
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