データ活用のプロ育成を目指す「データサイエンティスト協会」発足
データ分析の専門人材“データサイエンティスト”の育成に向け、スキルセットの定義や評価制度の構築などを行う「データサイエンティスト協会」が発足した。
データ分析の専門人材“データサイエンティスト”の育成を目的とする一般社団法人「データサイエンティスト協会」が7月16日に発足した。データサイエンティストに求められる知識やスキルの定義、評価制度の構築などを通じ、企業や組織を超えて活躍する人材の育成を目指すという。
近年、企業を取り巻く多種多様なデータからビジネスに役立つ知見を引き出すデータサイエンティストという職業が注目されている。だが、新協会の代表理事を務めるブレインパッド社長の草野隆史氏によると「データサイエンティストに求められるスキルが企業によって異なり、業界標準の定義がないため、人材を育成するのが難しい状況」という。
そこで新協会では、ソーシャルメディア上のグループ参加者(7月15日時点で483人)や有識者・学識経験者へのヒアリングを通じ、(1)データサイエンティストに関する人材像やスキルの定義、(2)育成カリキュラムの策定、(3)データサイエンティスト同士の交流推進活動――などを実施。「データサイエンティストを目指す人に対し、成長の機会を提供する」(草野氏)としている。
具体的には、データサイエンティストに求められるスキルレベルを大きく「エントリレベル」「ミドルレベル」「ハイレベル」の3つに分類。2013年度にはエントリレベル、14年度以降にミドルレベルとハイレベルの育成カリキュラムを公開する予定。また、データサイエンティストが集うシンポジウムなども開催するという。
協会顧問には統計数理研究所の樋口知之氏、事務局長にはブレインパッド経営企画室長の宍倉剛氏がそれぞれ就任。その他の幹部は、データ分析事業者やユーザー企業、教育機関などから募るという。「公共性の高い活動を行うため、できるだけ早期に組織体制を確立する」(草野氏)としている。
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