DBやJavaも あらゆる企業にクラウドのすべてを:Oracle OpenWorld San Francisco 2013 Report(2/2 ページ)
イベント史上初となるMicrosoftのパートナー講演に、ラリー・エリソンCEOの講演キャンセルと“珍事”が続いた中、キーノートに登壇したトーマス・クリアン製品開発担当役員がクラウド事業の進ちょくを語った。
また、DBとJavaについては、それぞれ「Database as a Service」、「Java as a Service」という形態で提供する。前者は、クラウド経由でOracle DBインスタンスを入手できる。バージョンは11gあるいは12cに対応。パッチングやアップグレード、バックアップ、リカバリなどの管理はすべてOracle側で行うため、ユーザーは運用の手間やそれに掛かるコストなどを削減できるという。後者は、クラウドでJavaのワークロードをサポートする。同様に管理はすべてOracleが行う。
そのほか、SaaSの領域では、人材管理関連の「Talent Management Cloud」や「Human Capital Management」、カスタマーサービスおよびマーケティング関連の「Customer eXperience Cloud」、財務や運営に関する業務機能を提供する「ERP Cloud」がアップデートされた。
「Oracleが提供する製品やサービスは、基本的にクラウドもオンプレミスも同じなので、ワークロードがリスクなく双方を行き来できる。加えて、アプリケーションからプラットフォーム、インフラストラクチャまですべてを網羅しているため、小規模のオフィスから大企業まで幅広く活用できる。OracleのクラウドがIT部門を変革できるのだ」(クリアン氏)
Microsoftが駆けつける!
なお、同キーノートの前半では、Oracle OpenWorld史上で初めてとなる米Microsoftのエグゼクティブによるパートナー講演が行われた。
両社は今年6月にクラウド事業での協業を発表。サーバ製品「Windows Server」上でDBやアプリケーションなどのOracle製品を利用するユーザーに対して、OracleがMicrosoftの仮想化プラットフォーム「Windows Server Hyper-V」およびクラウドサービス「Windows Azure」でも同製品の利用を認証、サポートするほか、Windows AzureでOracle Linuxを起動できるようにする。
登壇したMicrosoft バイスプレジデントでクラウド&エンタープライズ エンジニアリング担当のブラッド・アンダーソン氏は、「長きにわたって競合であり、パートナーであったMicrosoftとOracleが一緒にイノベーションできること、お互いにサポートし合うことは画期的だ」と意気込んだ。
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