「単なるバグ修正版ではない」――Windows 8.1は「数億のフィードバック」受け改善、「しぶとくじわじわ追い上げる」
Windows 8.1は、アップデートサイクルを早める「ラピッドリリース」方式を初めて採用。日本マイクロソフトの樋口社長は「単なるバグ修正版ではなく、機能もかなり向上させた」と自信を見せる。
日本マイクロソフトは10月18日、Windows 8の初のメジャーアップデートとなる新OS「Windows 8.1」をリリースした。樋口泰行社長は「“8”に寄せられたさまざまなフィードバックを真摯に受け止めて新OSに反映した。単なるバグ修正版ではなく、機能もかなり向上させている」と自信をみせた。
Windowsのメジャーアップデートサイクルは従来ほぼ3年ごとだったが、今回初めて「ラピッドリリース」と呼ぶ方式を採用。2012年10月26日(日本時間)のWindows 8発売から1年後に新OSをリリースした。「従来はメジャーアップデートの間にService Packを提供していたが、これからは3年を待たずにもっと早いサイクルで新OSを出していく」(樋口社長)
Windows 8.1は「Windows 8ユーザーから寄せられた数億レベルのフィードバックをベースに進化させた」(日本マイクロソフトの金古毅 OEM統括本部長)という。最大の特徴の1つは、Windows 8で廃止された「スタートボタン」を“復活”させたことだ。
Windows 8.1はデスクトップ画面の左下にスタートボタンを設置し、ワンクリックでスタート画面(Windows 8以降で搭載されたタイル調の画面)を呼び出せるようにした。スタートボタンにはアプリ一覧の呼び出しなどを割り当てることもでき、ユーザーの使い方に応じてカスタマイズできるようになっている。
一方、Windows 7以前でスタートボタンを押した際に表示されていた「スタートメニュー」は引き続き廃止。「スタートメニューはPC初心者はよく使うが、慣れると次第に使わなくなるというデータがある。よく使う機能はこれまでデスクトップ画面にショートカットを置くことが多かったと思うが、それを洗練して再構成したのがスタート画面だ」と藤本恭史 Windows統括本部長は説明する。
スタート画面のカスタマイズ性も強化した。各アプリケーションにアクセスするタイルの大きさを4種類に変更可能にし、「画面サイズが異なるさまざまなデバイスで利用しやすくした」という。また、スタート画面の背景画像もユーザーが自由に設定できるようにした。
検索機能も強化している。スタート画面右上の検索窓にBingの「スマート検索機能」を組み込み、1回のキーワード検索で(1)端末内ストレージのデータ、(2)インストールされているアプリ、(3)インターネット上の情報――を一括検索してグラフィカルに表示できるようになった。検索した情報はWindows 8.1で追加された「リーディングリスト」に保存し、後からアクセスして読み返すことも可能だ。
このほか、ロック画面から直接カメラ機能を呼び出せるようにしたほか、ロック解除時にスタート画面をスキップして直接デスクトップ画面を表示させる機能などを追加。「Windows 8からの変更の1つ1つは小さく見えるかもしれないが、これらは多くのユーザーの声に真摯に向き合ってきた結晶だ」と藤本氏は話す。
樋口社長は「今後、PCとタブレットの境目はどんどんなくなっていく。Windows 8.1から実施するラピッドリリースに加え、あらゆるユーザーニーズに応じた端末バリエーションの提供を通じ、しぶとくじわじわと追い上げていく」と話している。
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