「Paper by FiftyThree」のメーカー、Facebookの「Paper」に物言い
「Paper」という呼称で親しまれている人気アプリのメーカーが、Facebookの新アプリ「Paper」のアプリ名は混乱を招くとしてFacebookに連絡を取ったが、Facebookは予定通りPaperを公開したと公式サイトで苦言を呈している。
米Facebookが2月3日(現地時間)に米国で公開した新しスタンドアロンアプリ「Paper」の名称は、市場に混乱をもたらす──。人気のiPhoneアプリ「Paper by FiftyThree」のメーカー、米FiftyThreeが同日、公式サイトで苦言を呈した。
Paper by FiftyThreeは、FiftyThreeが2012年3月に公開したiOS向けのお絵描きアプリ。米Appleの2012年のiPad App of the Yearに選ばれ、現在約1億人のユーザーがいる人気アプリだ。正式名称が長いので、「Paper」と呼ばれている。現在英語版のGoogle(Google.com)で「Paper」を検索すると、(環境にもよるが)FiftyThreeのPaperのWebページがトップに表示される。
FiftyThreeのジョージ・ペチュニックCEOは、「1月30日にFacebookがPaperを発表したときはとても驚いた。(中略)われわれはFacebookに連絡を取り、このアプリがもたらした混乱について尋ねたところ、Facebookはもっと早く連絡しなかったことを謝罪した。だが、誠実な謝罪であれば救済手段を伴うべきだ」と公式サイトで語った。同社が連絡したにもかかわらずFacebookが予定通り2月3日にアプリを公開したので、経緯を公式サイトで公表したようだ。
FacebookのPaperは、Facebookの新着情報をカテゴリー別に閲覧・コメントできる、ニュースリーダーのようなiPhoneアプリで、Paper by FiftyThreeとは異なるカテゴリに属するといえる。とはいえ、FiftyThreeのPaperにはFacebookでコンテンツを共有する機能があり、同じ名前のアプリがあることは混乱を招くだろう。
FiftyThreeはペチュニック氏ら米Microsoft出身者が立ち上げた従業員数20人の小規模な新興企業で、現在Paperとその関連製品(PencilとBook)のみ提供している。同社はPaper by FiftyThreeというアプリ名を商標として米特許商標庁(USPTO)に登録している。
FacebookはPaperを「友達と世界からのストーリーを閲覧・共有するための新しいアプリ」と説明している。ペチュニック氏は「Facebookのストーリーはどんなものになるのだろう。開発者を葬り去る巨大企業になるのか? それとも、過ちに気付いて修正するのか?」と問い掛けている。
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