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USBメモリでWindowsを持ち運ぶ「Windows To Go」の実力は?さよならWindows XP、そしてWindows 8.1へ(1/2 ページ)

サポート切れが迫るWindows XPからの移行先候補として、最新版のWindows 8.1では企業ニーズの高い機能を幾つも持つ。今回はEnterprise版が持つWindows To Goという機能を紹介していこう。

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Windows 8.1をUSBメモリに収納

 Windows To Goは、PCのブートディスクにUSBメモリを使用する。つまり、USBメモリがシステムドライブとして機能するため、例えば、USBメモリにユーザーの環境を入れて出張先のホテルにあるビジネスセンターのPCにつなぐと、Windows To Goによって、いつでもユーザー独自の環境を再現できる。

 もちろん、USBメモリを接続したPCにデータなどを一切保存しないので、セキュリティ面でも心配はない。Windows To Goに使うUSBメモリは、Windows OSの暗号化機能「BitLocker」によって暗号化される。もし紛失したとしても、誰かにデータが盗まれる可能性は少ない。また、起動時にBitLockerのパスワードを入力しないと、Windows To Goからユーザーの環境を起動することもできない。

 フリーアドレスなどを採用している企業なら、OSのインストールしていないPCを用意しておくことで、社員一人ひとりにPCを配布する必要がなくなるだろう。社員はWindows To GoのUSBメモリをPCに接続すれば、自身のデスクトップ環境が再現されるため、自席にある自分のPCに縛られること無く、どの場所でも仕事ができる。

 Windows To GoのUSBメモリは企業のIT管理者が作成して、ドメインやVPNなどを設定し、業務に必要なアプリケーションをインストールして、社員に配付することになるだろう。

 Windows To GoではUSBメモリを接続する先のハードウェアにデバイスドライバが足りない時でもインストールして起動するため、異なるハードウェアでも利用できる。例えば、レンタルオフィスやネットカフェのPCでもWindows To GoのUSBメモリを挿せば、自分の仕事環境が再現される。OS自体はユーザー自身の環境であるため、不特定多数のユーザーが使用する環境でも、ウイルスに感染したり、パスワードを盗まれたりする心配は少ない。

 そもそも、Windows To Goでは、自動的にUSBメモリを接続するPCのシステムドライブは切り離されるので、Windows To GoがPCのシステムドライブに何か影響を及ぼしたり、逆にPCのシステムドライブがWindows To GoのUSBメモリに影響を及ぼしたりすることもない。

 さらに、作業中に誤ってWindows To GoのUSBメモリを抜いてしまっても、画面がフリーズして警告画面が表示される。60秒以内に再度Windows To GoのUSBメモリを接続すれば作業が再開し、もし60秒以内にWindows To GoのUSBメモリが接続されなかったら、PCは自動的にシャットダウンする。

利用には認定USBメモリが必要

 Windows To Goを使うにはMicrosoftによって認定されたUSBメモリが必要になる。ハードウェア要件としては、USB 3.0(推奨)で20Gバイト以上の容量が必要だ。上述したようにWindows To Goは、USBメモリをOSのシステムドライブとして利用することから、一般に販売されているUSBメモリをそのまま利用できない。また認定ということではないが、USB 3.0に対応したポータブルHDDやSSDでもWindows To Goを使用できる。

 Microsoftが認定したWindows To Go対応メモリは、各メーカーから提供されているものの、現時点で日本国内のサードパーティからは発売されていない。そこで、本稿ではイメーションのWindows To Go対応USBメモリ「Ironkey Workspace W300」をお借りをしてWindows To Goをテストした。

 Ironkey Workspace W300は、Windows To Goの利用を前提に開発されており、データの転送速度は書き込み時で毎秒400Mバイト、書き込み時で同316Mバイトと、非常に高速だ。また、上位版のW500には、USBメモリ内部にAES256ビットのハードウェア暗号化機能が搭載されているため、セキュリティ面でも高い信頼性を実現している。


イメーションのIronkey Workspace W300。Windows To Goを利用するには、同製品など対応USBメモリが必要になる
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