「GoogleのVCは寄生者」──サンフランシスコ市民が格差助長抗議のビラ配り
Google Venturesが出資する新興企業の金持ちな起業家が押し寄せたことで家賃や物価が高騰したとして、サンフランシスコ市民が同社パートナー、ケビン・ローズ氏の自宅周辺で抗議デモを行った。
「ケビン・ローズはパラサイト!」と書かれたビラの写真を、米Googleのベンチャーキャピタル部門、Google Venturesのパートナーであるケビン・ローズ氏が4月6日(現地時間)、自身のInstagramで投稿した。同日、ローズ氏のサンフランシスコの自宅付近で配られたものという。
ビラには、ローズ氏がベンチャーキャピタリストとしてIT系新興企業に出資することで、サンフランシスコが破壊されていると書かれている。同氏が出資したせいで若い起業家がサンフランシスコとオークランドに押し寄せ、状況を破壊しているという。これらの新興企業の従業員は一般従業員の4倍以上稼いでおり、抗議者らは彼らに奉仕する“みじめな状況”が耐えられないとしている。
このビラを配ったという団体、The Counterforceは同日、地元の非営利ネットメディアSan Francisco Bay Area Independent Media Centerでこのデモについて説明し、VCからの出資で金持ちになった起業家が高い家賃を払うせいで家賃や物価が高騰し、地元住民の生活を圧迫していると訴えた。
サンフランシスコ市では、Googleや米Appleなどの従業員の流入で物価や賃貸料が高騰したことで地域住民が反発し、これらの企業が従業員のために運行している無料バスを妨害するといった問題が起きている。
ローズ氏は自身のTwitterアカウントで、「家賃の高騰問題を解決し、サンフランシスコの文化を守り、(高い家賃を払う新契約者のために)賃貸契約者を追い出す家主を取り締まる必要があることについては彼らに同意する」とツイートした。
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