第一生命、プライベートクラウド化で500台のWindowsサーバを大規模集約:導入事例
Windows Server 2003などのシステムをWindows Server 2012 R2へ移行させる同社は、500筺体を160筺体に集約する。
日本マイクロソフトが7月8日に開催したWindows Server 2003のサポート終了に関する記者説明会では、Windowsシステムの大規模な移行事例として第一生命保険が登壇した。同社での取り組みを紹介してみたい。
ITビジネスプロセス企画部長兼コストイノベーションタスクフォース部長の太田俊規氏によると、同社では2015年までの中期経営計画の一環としてプライベートクラウドの構築を進めている。Windows Server 2003/2008で構成される旧来のシステムは、「旧態的な考え方に基づく固定的なシステム基盤」だったといい、中期経営計画の観点から柔軟性のあるシステム基盤を実現すべく、最新のWindows Server 2012 R2への移行を進めている。
旧来のシステムは、100ラックに格納された500台の物理サーバをファイバチャネル経由で大型のSANストレージと接続する構成となっている。新システムではラック単位で構成を標準化し、20ラック、160台の物理サーバに集約する。これによってシステム更改に伴うコストを20%削減する予定だ。
移行作業ではまず2014年第1四半期にActiveDirectoryやファイルシステムなどの基盤システムの設計・開発、Notesなどの全社向けアプリケーションや個別の業務アプリケーションの棚卸しを実施した。基盤システムは同第2四半期に運用を開始、2015年第1四半期までに順次移行する。
全社向けアプリケーションは、2014年第2四半期から設計・開発に順次着手し、2015年第3四半期までに移行する予定。個別の業務アプリケーションは、2015年第1四半期から設計・開発に着手して同第2四半期から2016年以降にかけて移行していくスケジュールである。
Windows Server 2012 R2の採用について太田氏は、「最新カーネルへの移行によるセキュリティの向上や最新世代のHyper-Vを利用した効率的なシステム運用が期待できる」と説明している。
移行プロジェクトでは全体を管理する事務局を設置して各作業間の調整を図り、システムの実装方法の見直しや標準的なミドルウェアの採用によって作業工数自体も従前に比べて半分から3分の1ほど削減させる見込みだという。
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