Apple、中国の公式サイトでiPhoneの位置情報追跡機能の安全性を説明
中国国営テレビ局にiPhoneの位置情報追跡機能が「国家安全保障上の懸念」だと非難されたことを受け、Appleが中国版の公式サイトに「あなたの位置情報のプライバシーについて」というページを開設し、同機能の安全性について説明した。
米Appleは7月12日(現地時間)、中国版公式サイトのトップページに「あなたの位置情報のプライバシーについて」というリンクを設置し、リンク先のページでiPhoneの位置情報機能のプライバシーについて、中国語と英語で説明した。
これは、中国の国営テレビ局である中央テレビ(CCTV)が前日、iPhoneの位置情報追跡機能を「国家安全保障上の懸念」と批判したことを受けたものだ。米Wall Street Journalによると、CCTVは11日の正午のニュースで、ユーザーがよく行く場所の頻度やその場所に行った日時を記録する「利用頻度の高い位置情報」機能を取り上げ、このデータにアクセスすれば中国全般の状況、さらには「国家機密」を知り得るという複数の研究者の発言を紹介したという。
Appleのヘルプによると、このデータはiPhone本体に保存され、Appleのサーバには送られることはない。
Appleは公式ページの説明で、「Appleはすべての製品において、顧客のプライバシーを設計の最初の段階から考慮しています。われわれは、世界で最も安全なハードウェアおよびソフトウェアを提供するために努力を続けて」おり、「Appleはユーザーの位置情報を追跡していないし、今後もする計画はありません」と主張した上で、位置情報の扱い方を詳しく説明。「利用頻度の高い位置情報」は暗号化されて端末に保存され、iTunesやiCloudにバックアップされることはないと強調した。
さらに、「Appleは製品およびサービスにバックドアを作るためにいずれの政府当局とも協力したことはなく、サーバーへのアクセスを許可したこともありません」と、PRISM問題発覚後に公開した透明性リポートでの説明を繰り返した。
米国が中国軍将校5人をスパイ行為の罪で訴追したことを背景に、中国は米IT企業への批判を強めている。英BBCによると、CCTVは6月には、米MicrosoftのWindows 8に安全上の懸念があると批判している。
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