人工知能で予定の合間にTo-Doを組み込んでくれるスケジュール管理アプリ「Timeful」
研究の結果、人がいかに時間を無駄に使っているかを思い知ったスタンフォード大学の教授らが、AIのアルゴリズムでユーザーのスケジュールを管理するアプリ「Timeful」をリリースした。
われわれのミッションはあなたが限られた時間を有効に使う手伝いをすること──。スタンフォード大学とデューク大学の教授らが2年間の研究成果を社会に役立てる目的で、無料のスケジュール管理アプリ「Timeful」をリリースした。まずはiOS版のみだが、PCとAndroid向けも開発中という。
Webサイトには、「われわれは、時間を管理する方法を改革するために、人工知能(AI)、ビッグデータ、行動科学、プロダクトデザインの代表的な専門家を集めた」とある。共同創業者のヨアフ・ショハムCBO(最高“行動”責任者)はスタンフォード大学コンピュータ科学の教授、ダン・アリエリー会長はデューク大学の心理学および行動経済学の教授、ジェイコブ・バンクCEOはスタンフォード大学コンピュータ科学の博士課程の学生だ。
Timefulは予定表とTo Doリストを統合したようなアプリ。会議などの予定(events)、やるべきこと(to-dos)、ジョギングや英語の勉強、などの習慣化したいこと(habit)の3種類のタスクを入力すると、eventsの合間にto-doやhabitを組み込むサジェスチョンを提示してくれる。
eventsは直接入力しなくても、既存のカレンダー(Apple、Google、Microsoftのそれぞれのカレンダーに対応)と同期できる。スケジュールのアラートは今のところiOSのカレンダーのプッシュ通知として表示される。
to-doとhabitは、おおよその所要時間や「今週中にやりたい」といった設定を添えておくことでTimefulがスケジュールを調整し、最適なタイミングに設定してくれる。ユーザーはこの提案を自分で修正することも可能だ。ユーザーが入力したタスクはTimefulのサーバーに蓄積されていき、使えば使うほどそのユーザーに最適化されていくという。
Timefulの共同創業者らは公式ブログで、人間の行動や意思決定についての研究を進めるにつれて、予想以上に人は時間管理がうまくできず、時間を無駄にしていることが明らかになったと説明する。例えば、せっかく能率の上がるはずの時間帯にメール処理やSNSのチェックを行ったり、大事なプロジェクトよりも簡単なタスクをつい優先させてプロジェクトに割く時間をとれなくなったりしていると指摘する。Timefulはこうした問題を解決する目的で開発したという。
同社は「われわれの誓約」というページで、収集したユーザーデータを広告などの目的で使うことはないと宣言している。
無料アプリでどうやって収益化するのかはまだ不明だが、人の時間管理を助けるというミッションが成功すれば、いずれはユーザーが報酬を与えてくれるかもしれないとしている。少なくとも信頼を失えばミッションは完了しないので、ユーザーを裏切るようなことは絶対にしないという。
同社には米大手ベンチャーキャピタルのKleiner Perkins Caufield & Byers、Khosla Ventures、Greylock Partnersなどが出資している。
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