ここが辛いよカスタマーサポート業務:現場担当者に聞く(2/2 ページ)
多くの企業が「顧客中心主義」を叫ぶ中、最前線で顧客からの声をダイレクトに受け止めているのがカスタマーサポート部門だ。ここでは彼らの仕事に目を向け、業務現場で日々蓄積された“カスタマーサポートあるある”を紹介したい。
計画的な問い合わせを!
「サポートに関する質問内容によって、先方の会社組織や置かれた状況が手に取るように分かります」。
何とも興味深いAさんの発言。果たしてそのワケとは。
日ごろからユーザーの課題や要望を聞いていると、いくつかのタイプに分類できるようになるという。例えば、上司から命令されてやむを得ずシステムトラブルを対処することになった者、社内に頼れる人が誰もいなくて助けを求めている者などさまざまである。そうした中、それぞれの立場を理解してサポート対応することで、よりユーザーとの関係性が強固になり、解決までの道のりがぐっと近づくことも多いそうだ。
そのほか、今回登場した2社に限らず、カスタマーサポートの現場で半ば“常識”のようになってしまっているのが、サポートの営業時間終了間際に問い合わせが殺到することである。AさんもBさんもこれについてはうんざりするようで、「ぜひ日中の時間帯に前もって問い合わせてほしいです」と訴える。もっとも、その日のうちに問題を解決したいというユーザーの気持ちも分からなくはないと言うが……。
「ありがとう」を励みに
ただし、このように気苦労が多いことばかりがカスタマーサポート業務ではない。この仕事だからこその喜びもある。それは何といっても顧客であるユーザーから直接感謝の気持ちを受け取ることができる点だ。
Bさんは「電話越し、あるいはアンケートなどから寄せられるお客様の『ありがとう』という言葉がモチベーションアップに繋がっています」と話す。
また、ほんの小さなことでも、これは顧客のためになると意識して取り組んだことに対して、顧客が評価してくれたときは、心から嬉しさがこみ上げてくるとともに、これからもまた顧客のために尽くそうと、いっそう奮起できるそうだ。
関連記事
- 顧客に尽くし続けて9年:デルが宮崎で取り組むカスタマーサポートの現場を見た
2005年から国内法人ユーザー向けのテクニカルサポート業務を宮崎カスタマーセンターで行うデル。あくまでも顧客中心であり、出来る限り彼らの満足度を高めていくことが務めだと社員の誰もが口にする。その現場を取材した。 - マイクロソフトはいかに顧客をサポートしているのか
日本の顧客がカスタマーサービスに求めるレベルが高いことは疑う余地もない。幅広いターゲット層に向けて多種多様な製品を提供する日本マイクロソフトは、顧客満足度を高めるためにどのような取り組みをしているのだろうか。 - 名カウンセラーとなれ 福岡の通販企業が実現する顧客サービスとは
化粧品や健康食品などの通販事業を手掛けるJIMOSでは、年初にコンタクトセンターの基盤システムを刷新。顧客に対するサービスレベルのさらなる向上を図る。 - 劣悪な顧客サービスはもうごめんだ!
アジア太平洋地域のコンタクトセンター関係者に向けたカンファレンス「G-Force Sydney 2012」が今年もオーストラリアで開幕。登壇者たちは口々に世界を救うと意気込む。 - テキサス×宮崎=?:デル宮崎カスタマーセンターに根付く“サザン・ホスピタリティー”
デル日本法人の従業員のうち、実に3分の1が、宮崎カスタマーセンターに勤務している。そこでは主に国内法人向けサポートが行われ、顧客満足の向上に取り組んでいる。 - カスタマーサービスの未来:【第1回】まだ電話だけに頼っているのですか?
企業の顧客(カスタマー)サービスというと、皆さんは何を思い浮かべるでしょうか。新連載では、そうした従来型の視点がガラリと変わるような“近未来”の内容をお届けしていきます。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.