ソフトバンクがDreamWorks Animation買収交渉──米報道
Alibaba上場で約46億ドルの利益を得たソフトバンクが、米アニメ映画製作大手DreamWorks Animationに約34億ドルでの買収を提案していると複数のメディアが報じた。
ソフトバンクが、「シュレック」や「マダガスカル」で知られる米アニメ映画製作大手DreamWorks Animation(以下DWA)の買収に向けて交渉を進めているという。9月27日(現地時間)、米Hollywood Reporterがこの件に詳しい情報筋の話として最初に報じ、米Wall Street JournalやReutersもこれに続いた。買収総額は34億ドル(約3716億円)に上る可能性があるという。
Hollywood Reporterによると、ソフトバンクはDWAの26日の終値22.36ドルに約43%上乗せした1株当たり32ドルで買収を提案しているという。両社はメディアに対し、うわさや憶測に対してはコメントを控えるとしている。
両社の仲を取り持ったのは、10月にソフトバンク入りする元GoogleのCBO(最高事業責任者)、ニケシュ・アローラ氏という。同氏はソフトバンクの米子会社SoftBank Internet and Media(SIMI)のCEO兼ソフトバンクのバイスチェアマンとして、孫氏と密にグローバル成長戦略を計画・実行・管理していく。
中国Alibaba Group Holdingの最大株主であるソフトバンクは19日のAlibaba上場により、約46億ドル(約5000億円)の利益を得ている。同社の孫正義社長はIPO当日、米ニューヨーク証券取引所(NYSE)でのインタビューで「アメリカはこれからだ。いろいろなチャンスを広げていきたい」と語っていた。DWAの買収により、コンテンツを強化し、サービスを拡大するのが狙いとみられる。
DWAは、米Paramount Pictures、米Walt Disney Companyを経て米DreamWorks SKGを立ち上げたジェフリー・カッツェンバーグ氏が、2004年にアニメーション部門をスピンアウトさせ、NYSEに上場した映画制作会社。2014年に公開した映画では大きなヒットはなく、4〜6月期の売上高は前年同期比43%減の1億2228万ドル、純損失は1539万ドルだった。
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