MicrosoftとDropboxが提携──モバイル版OfficeとDropboxを統合
OneDriveでDropboxと競合するMicrosoftが、Dropboxに保存したOfficeファイルを直接編集できるようにする。「Office for iPad」と「Office Mobile」の数週間後のアップデートで可能になる。
米Microsoftと米Dropboxは11月4日(現地時間)、“人々の作業をより効率的にするための”戦略的提携を発表した。モバイルおよびWeb版の「Microsoft Office」とDropboxのクラウドストレージを統合する。
これにより、モバイルおよびWeb版OfficeとDropboxの両方を使っているユーザーは、例えばDropboxに保存してあるWordのファイルを直接編集できるようになる(具体的なサービスについては後述)。
Microsoftには「OneDrive」というDropboxと競合するクラウドストレージサービスがあるが、同社のサティア・ナデラCEOは発表文で「われわれが提唱する“モバイル第一、クラウド第一”の世界では、端末やプラットフォームを問わず作業するより簡単な方法を必要としている」とし、そのためにMicrosoft製品とDropboxの両方を使っているユーザーに柔軟なツールを提供していくと語った。
Microsoftによると、Officeのユーザーは12億人以上で、Dropboxに保存されているOfficeファイルは350億件以上という。
向こう数週間中に実施するモバイル版Office(Office for iPad、AndroidおよびiPhone版「Office Mobile」)のアップデートで、これまでOfficeとOneDriveで可能だった機能がDropboxでも使えるようになる。
このアップデートで、OfficeとDropboxのアカウントを接続し、Dropboxに保存しているファイルを編集・保存・共有できるようになる。
Officeアプリから直接Dropbox内のOfficeファイルを開けるだけでなく、iOSおよびAndroid版のDropboxアプリでOfficeファイルを選択するとOfficeアプリでそのファイルを開いて編集できるようになる。
Dropbox上のOfficeファイルのリンクを共有することで、Dropbox上で他のユーザーとファイルを共有できる。
Webアプリ版Officeである「Office Online」でも、2015年上半期中に新機能が利用できるようになる。
また、DropboxはWindows Phone版のDropboxアプリを向こう数カ月中にリリースする計画だ。
関連記事
- Microsoftとsalesforce.comが戦略的提携 「Windows版Salesforce1」も
- Dropboxのユーザー数が2億7500万人以上に ビジネス向けDropboxのアップデートも
Dropboxが「ビジネス向けDropbox」をアップデートし、個人アカウントを企業用アカウントと関連付けることで双方をシームレスに利用できる機能などを追加した。 - 「Microsoft Office for iPad」登場──「Office 365」なしでも閲覧は可能
MicrosoftがiPadに最適化した「Word」「Excel」「PowerPoint」をAppleのApp Storeで無料公開した。同時に、iPhone版とAndroid版の「Office Mobile」も公開し、ナデラCEOは「あらゆる端末に最善のクラウド接続体験を提供する」と語った。 - Microsoft、AndroidおよびiPhone版「Office Mobile」を無料公開 編集も可能
Microsoftは「Office for iPad」の公開に合わせ、AndroidおよびiPhone版の「Office Mobile」を「Office 365」ユーザー以外に解放した。Office文書の閲覧だけでなく編集も可能だ。
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.