Snapchat、ソニー・ピクチャーズ情報流出のとばっちりでCEOが怒りのメッセージ
ソニー・ピクチャーズ・エンタテインメントへのサイバー攻撃で流出した同社CEOのメールから、CEOが取締役を務めるSnapchatの極秘情報がネット上で暴かれたことについて、Snapchatのエヴァン・シュピーゲルCEOが従業員とユーザーに向けて怒りと決意のメッセージを送った。
「昨夜、僕たちの(極秘の)事業計画がさらされて、号泣しそうになった」──。米Snapchatのエヴァン・シュピーゲルCEOは12月18日(現地時間)、従業員宛のこのような書き出しのメールを自身のツイートで公開した。
ツイートは「私はこのメールを今日従業員に送りました。これは非常に重要なことなので、パートナーと友達(ユーザー)とも共有することにしました」となっている。
12月初旬に明らかになったソニー・ピクチャーズ・エンタテインメント(SPE)へのサイバー攻撃により、多くの未公開映画や極秘文書とともにSPEのマイケル・リントンCEOのメールコンテンツが流出した。
リントン氏はSnapchatの取締役を務めているため、流出したコンテンツには同氏とシュピーゲル氏のSnapchatのビジネス計画についてのやりとりも含まれており、それらのメールに基づいて米メディア各社がSnapchatの非公開の複数の買収や音楽業界との提携の可能性などについて報じた。
「僕たちは、みんなを驚かせたいから計画を秘密裏に進めている。準備が完了するまで成否を決めつけられたくないから秘密にしている。秘密はチームの結束を高めもする」
「それなのに、秘密が公開されてしまって本当に残念だ。秘密を盗んで、僕たちがプライベートにしておきたかったことを暴くのは良くない。だが、思う存分怒り狂った後、これまで以上にやるべきことをやっていく。」
「みんなで世界を変えていこう。だってこんな世界は僕たちの理想と違うんだから」
SPEへのサイバー攻撃については、同社が調査を依頼した科学捜査の専門家が「組織的グループが十分に計画して実行した前代未聞の犯罪だ。SPEであれ、ほかのどの企業であれ、完全に備えることはできなかっただろう」と報告している。
SPEは12月25日に北朝鮮の最高指導者暗殺を題材とするコメディ映画を全米で公開する予定だったが、上映館爆破をにおわせる攻撃者からの警告を受け、公開を中止した。
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