北朝鮮、SPE攻撃関与を“言い掛かり”として米本土への“超強硬対応戦”を宣言
ソニー・ピクチャーズへのサイバー攻撃と北朝鮮風刺映画上映阻止は北朝鮮によるものと米連邦政府が断定し、“相応の対応をする”と発表したことに対し、北朝鮮は“根拠のない言い掛かり”であり、米国に対して“超強硬対応戦”を繰り広げるという声明を発表した。
北朝鮮の国防委員会は12月21日(現地時間)、米連邦政府がソニー・ピクチャーズ エンタテインメント(SPE)へのサイバー攻撃と北朝鮮風刺映画の上映を中止に追いやった脅しへの北朝鮮の関与を断定し、対抗措置を取ると表明したことに対し、“根拠のない言い掛かり”として反撃すると発表した。
北朝鮮の国営通信社である朝鮮中央通信(KCNA)の日本語版によると、国防委員会は「われわれの超強硬対応戦は、オバマが宣布した「相応の対応」を超越してホワイトハウスとペンタゴン、テロの本拠地である米本土の全体を狙って果敢に繰り広げられるであろう」という声明を発表した。
北朝鮮はこれに先立つ20日に、FBIの断定を受けて「米国が途方もない世論を流してわれわれを誹謗していることに対処して、われわれは米国側と今回の事件に対する共同調査を行うことを主張する」と提案し、「米国は、われわれの共同調査提案まで拒否し、あくまでもわれわれに言い掛かりをつけていわゆる対応措置をうんぬんする場合、実に重大な結果が招かれるということを銘記すべきである」と警告していた。
この後、バラク・オバマ大統領が記者会見で「相応の対応をするつもりだ」と語った。
北朝鮮はFBIが示した北朝鮮関与の根拠が「はっきりしない科学技術的データとでっち上げたたわごとに基づいている」と批判した。
また、SPEの北朝鮮風刺映画「The Interview」の制作に米政府が「深く関与したという明白な根拠を持っている」とも語り、「わが人民と世界の人類に謝罪すべきであり、これ以上むやみに他国に言いがかりをつけてはいけない」としている。
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