Windows 8の失敗から復活 Windows 10を徹底解剖:Enterprise IT Kaleidoscope(2/3 ページ)
タッチ操作へ舵を切ったWindows 8は結果的に成功したとはいい難いが、MicrosoftはWindows 10でデスクトップとタッチ操作の調和を図ろうとしている。進化を続けるTechnical PreviewからUIの方向性を読み解く。
Windows 10 TPで消えたチャーム
Windows 10 TPではWindows 8/8.1で追加された「チャーム」がなくなった。チャームからアクセス可能な「設定」「デバイス」「スタート」「共有」「検索」の各機能は、Windows 10 TPでは分かれてしまい、いろいろな部分に埋め込まれた。
例えば、Windows 10 TPの「検索」は、画面下に表示されているタスクバーに「検索ボックス」にある。ここの検索したいキーワードを入れると簡単に検索できる。アプリやアプリケーションの検索は、スタートメニューにインストールされているアプリやアプリケーションがリスト表示されるため、いちいち検索しなくてもいい。
Windows 10 TPではまた、タスクバーの右下に「Action Centerアイコン」が追加されている。Action Centerでは各種の通知(Windows Updateでの通知など)が表示され、下部に「All Settings(設定)」「Wi-Fi」「Connect」「Tablet mode」などのボタンが用意されている。All Settingsのボタンを選択すると、各種設定ができる。この設定画面はコントロールパネルとは異なる。
設定ボタンを押せば、Windows 8/8.1のPC設定が表示される。Windows 8/8.1のPC設定よりも項目が増え、コントロールパネルにアクセスする必要性が少なくなった。最終的にはコントロールパネルが持つ機能を全てアプリベースの設定に置き換える
「共有」機能に関して現状では「Windowsキー + H」でしか表示できない。ただ、Windows 8/8.1のアプリ、「Universal App」(Windows 10やWindows 10 Phones and Tabletsの両方で動作するアプリ)、デスクトップアプリケーションに応じて動作が異なる。
デスクトップアプリケーションでは「共有」がサポートされていない。Windows 8/8.1のアプリでは今まで同じようにアプリの内容をメールやOneNote、リーディングリストなどに送ることができる。Universal Appでは「Windowsキー + H」と押しても共有機能が動かない。Universal App内部のメニューに共有機能が用意されている。
こうした変化は、Windows 8/8.1の多くのユーザーがチャームから共有機能を利用していないためだ。Windows 10 TPではより使いやすいように、Universal App内部に移したということだろう。当面はWindows 8/8.1のアプリやUniversal Appが共存するため、使い勝手は混乱するかもしれない。
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