提案から申込までをタブレットで 日立、金融業向けモバイルクラウドサービス提供へ
日立が金融機関の営業活動などをタブレット端末で行うためのシステム基盤などを提供する「金融機関向け日立モバイルクラウドサービス」の販売開始を発表した。
日立は、2月25日、「金融機関向け日立モバイルクラウドサービス」の提供開始を発表した。同サービスは、金融機関の営業活動などをタブレット端末で行うためのシステム基盤とWebアプリケーション群をクラウド形式で提供するサービスで、月額課金制で利用できる。オプションサービスとしてタブレット端末やインターネット接続、ヘルプデスクなどの機器・サービスも提供、各金融機関の業務上のニーズに応じて最適なシステム環境を提供する。
近年、金融機関では営業部門を中心に、タブレット端末の導入が急速に進められている。従来は店舗外からのイントラネットやメールの閲覧、スケジュール管理といった基本的な機能の利用が主な用途だったが、金融商品の説明や各種試算といった提案活動、申込手続きなどにも利用ニーズが拡大している。一方、タブレット端末の利用については、システムの導入・運用コストの低減化が低減や、通信環境が不安定な場所でも安定的に業務を行うことができるシステム環境の実現が求められている。
こうしたニーズに対して、日立では、日立システムズと共同で日立ソリューションズ・クリエイトが提供するモバイルWebアプリケーション実行基盤などを用いる同サービスを開発した。日立のデータセンターからクラウドサービスとして提供する。
「金融機関向け日立モバイルクラウドサービス」は、ニーズに応じたタブレット端末利用環境をワンストップで利用可能。店舗内外でのタイムリーな金融商品の提案や申込手続きなどもでき、Webアプリケーションは、金融商品ごとのテンプレートを柔軟にカスタマイズすることも可能だ。必要なデータを事前にタブレット端末側にダウンロードしておくことで、店舗内外の通信環境に依存せずにオフライン環境でWebアプリケーションを利用することができる。
また、タブレット端末上でのデータをセンタ内のサーバへ送信し、端末から削除することで、端末紛失時の情報漏えいを防止するほか、通信データの暗号化などにより高いセキュリティを確保している。
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