“生徒が教え学び合う”協働学習、電子黒板とタブレットで――大分豊府中学が支援ツール導入
大分県の県立併設型中高一貫教育校の大分豊府中学校が、次世代型授業支援ツール「マーナビケーション」を導入。タブレット端末を活用した協働学習に取り組む。
大分県教育庁教育財務課と富士通ネットワークソリューションズ(以下、FNETS)は3月17日、大分豊府中学校が次世代型授業支援ツール「FUJITSU 文教ソリューション K-12 協働学習支援 V3 マーナビケーション」(以下、マーナビケーション)を導入し、タブレット端末を活用した協働学習に取り組むことを発表した。マーナビケーションの導入は九州で初となる。
大分豊府中学校は、大分県唯一の県立併設型中高一貫教育校。5月から総合的な学習の時間や国語、社会、理科、数学などの教科において、マーナビケーションを活用した“生徒同士が教え学び合う”次世代の「協働学習」の研究に着手する。
マーナビケーションは、FNETSが現場の教師とともに協働学習用ツールとして開発したデジタル教材。生徒がタブレットに手書き入力した回答内容を教師が即時に電子黒板に表示する「意見板」機能や、授業の最後に理解度を把握する「理解度チェック小テスト」を行い、その結果を即時にフィードバックする機能などを備えている。テスト結果をCSV形式で出力し、学習履歴として活用することも可能だ。
大分豊府中学校は、マーナビケーションを活用しながら、思考力・判断力・表現力を養う双方向型の授業を目指す。さらに、理解度チェック小テスト機能を用いて、教師が小テストの正答率を即時に確認し、生徒の理解状況を把握しながら理解度を深める授業の実践に向けた研究に取り組む。
大分県教育庁では今後、同校の協働学習の効果を踏まえて大分豊府高校でも活用方法を研究し、他校への展開も検討していく予定。
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