検索
ニュース

シャープ復活の要へ BtoB戦略と新事業基盤「Visions」に効果アリ?(1/3 ページ)

シャープグループが、法人向け事業とビジネスモデルの転換図るべく、Dynamics CRMベースの新たな事業基盤「Visions」を導入した。

Share
Tweet
LINE
Hatena

 業績のV字回復を目指し、シャープグループが個人向け事業(BtoC)から法人向け(BtoB)戦略へのシフトを進めている。

 推進の要は新たなBtoB事業の情報基盤として導入した「Visions」。シャープグループにおけるBtoBビジネスの中心的存在であるシャープビジネスソリューションで活用し、案件の可視化や業務効率の向上、商談総額の増大、PSI計画の精度向上などを目指している。

photo シャープ本社のWebサイト

経緯と課題:toCとは異なるビジネスプロセスに変革

 業務効率化だけでなく、売上向上に貢献する「攻めの武器」としてITを活用する。シャープ再生プランの柱の1つに、個人から法人に軸足を置いたビジネスモデルの転換が挙がる。2013年設立のシャープビジネスソリューションはビジネス機器を軸にした国内向け法人ソリューション事業の強化を担っている。

photo 法人向け事業を推進するシャープビジネスソリューション

 同社は現在、オフィスソリューション事業、システム事業、ICT・サービス事業、サプライ事業、ソフトウェア事業の5つのビジネスを展開し、国内60%のコンビニへ導入されるマルチコピー機、国内40%のガソリンスタンドへ導入されるPOSシステムを強みに、企業の会議室や駅、公共施設へのデジタルサイネージを中心とするインフォメーションディスプレイ事業も成長している。

 課題は「BtoBシフトにおけるビジネスマネジメント/プロセスの変革」。よい商品とマスプロモーションが主軸だった個人向けのビジネスプロセスと異なり、法人ビジネスは見込み客の開拓から商談化、条件折衝、受注契約、売上回収、その後のフォローなどBtoCにはなかったさまざまな活動が必要になる。

 「既存顧客をできる限り深く掘り下げていくことが、BtoB事業を成長させるための重要な鍵になります」(シャープビジネスソリューション 経営企画部チーフの近藤一三氏/日本マイクロソフトWebサイトより、以下同)

 ただこれまでの社内システムでは、顧客や営業プロセスに関する情報が営業担当者個人の管理に委ねられ、会社全体で十分に活用できてはいなかった。情報の取り扱い方法や使用ツールもバラバラで、事業の壁を超えた協業が難しい課題も抱えていた。

       | 次のページへ

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

ページトップに戻る