全日本空輸(ANA)が従量課金制のPaaSによるプライベートクラウドを導入し、2019年までに運航系や整備系などのグループの大半の業務システムを移行するという。このクラウド環境を構築、運用する日立製作所が明らかにした。
ANAグループは、2016年度までの5年間で累計1360億円のコスト削減を推進する計画。ITコストの見直しや生産性の向上に向けた構造改革に取り組み、日立製作所のクラウド基盤の採用もこの一環となる。従量課金制にすることでITリソースを使った分だけのコストで済むとし、運用管理も効率化を見込む。
日立はANA向けのクラウド基盤をBladeSymphony、Hitachi Virtual Storage Platform、JP1などで構築し、企業向けに提供する「Hitachi Cloud」サービスのノウハウも生かす。
ANAの幸重孝典取締役執行役員は、「日立は、高性能・高信頼な製品とこれまで培ってきたシステム構築に関する優れた技術力で、ANAグループの重要な経営基盤となる大規模システムの構築を短期間で実現した。今後も、日立の力強いサポートを期待する」とコメントしている。
関連記事
- 場所や時間に縛られない ANAが目指す“働き方”の次のステージ
空港、整備場、オフィス、取引先と、動き回ることが多い航空業界。現場では、そのたびに中断してしまう仕事を、いつでもどこでもすぐ再開できる作業環境が求められていた。そんな現場を変えたのは、どんな取り組みだったのか。 - 全社最適はIT部門にしかできない――ANAとLIXILのCIOが語る未来の姿
企業のIT部門が担うべき役割について様々な提言がある中、全日空の幸重孝典CIOとLIXILの小和瀬浩之CIOが自社での取り組みを踏まえながら、IT部門の今後の役割について語った。 - ANAが乗客向けメール配信システムを刷新 個別通知も可能に
メール配信に必要な情報をリアルタイムに取得し、配信対象の拡大と特定の顧客へのメール配信を実現する新システムを稼働させた。 - 日立がクラウド新戦略 複数のクラウドをつなげる「フェデレーテッドクラウド」を展開
日立製作所が新ブランド「Hitachi Cloud」を発表。プライベートやパブリッククラウドなどをシームレスに利用していくための環境を包括的に提供する。
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.