卵サンドで開眼? プロマネ流「品質管理」コトハジメ:女子ヘルプデスクのプロマネ修行奮戦記(1/3 ページ)
品質管理って謎が多い。参考書を見てみると、実行や監視に比べて“計画”のプロセスのページがやたらに多いのも謎めいている。いったいどういうこと? って思いながら卵サンドをパクついていたら……開眼したかも……。
これまでのあらすじは
会社でヘルプデスクを担当する私が、ある日突然、在宅ヘルプデスク部門開設プロジェクトのマネジャーに任命されてしまったから、さぁ大変。鬱憤晴らしで飲みに出かけたら、今度は勢いでPMBOK(ピンボック)とやらを勉強するハメに……。しかもしかも! いつの間にかPMP(Project Management Professional)の資格試験を受けることになっている……。私は在宅ヘルプデスク業務のプロジェクトを成功に導けるのか? PMPの試験に合格できるのか? いや、そもそも、受験できるのか?
我が家の猫にはいくつか「お気に入りの場所」がある。かつては私の布団の中やディスプレイの上が定位置だったが、今では、仕事をしている私のひざの上がお気に入りだ。
そういえば、私が自宅のディスプレイをブラウン管から液晶に買い換えてから、もう6年もたつのね……と、ノスタルジーにひたっていると、またもや猫がやってきた。今夜のふとんはPMP対策の参考書に決めたらしい。広げた参考書の上に「あら、ありがとー」と言わんばかりの態度で寝ころんで、寝支度の毛繕いを始めた。
いつもなら参考書を救出して、猫の無言の抗議を受けるところなのだが、今夜は参考書に手を伸ばす気力もない。前回、試験にまつわる恐ろしい事実が発覚したことで、ちょっと私のモチベーションが下がっているのかもね。
いやいや、慣れない勉強に脳みそが“ふんにゃらふんにゃら”しているのかもしれない。そして今、猫に邪魔されたことで、さらにやる気が削がれてしまった。
わたし ……あぁ……今日はやめたやめた、もう、寝る!
こんな日は、早々に寝るに限る。
ただ、仕事は待ってくれないし、やるからには満足のいく結果がほしい。そんな焦りもあって、翌朝はいつもより早く自宅を出発。猫に邪魔されない会社近くのコーヒーショップに飛び込んだ。やっぱり私、基本的にやる気はあるんだわ(ホントか?)。
実行や監視に比べて“計画”だけが分厚いのはなぜ?
いつものコーヒーショップが、朝と夕方では雰囲気が違って見える。朝ごはんのコーヒーとサンドイッチを手にお気に入りの席につくと、まず、カバンの中から参考書を引っ張り出す。次にスマホのアラームもセットした。会社に遅刻しちゃったら本末転倒だものね。できれば出社までに、昨日、気になった点を解決しておきたい。
気になったのは、プロジェクト品質マネジメント全体のページバランスだ。プロジェクト品質マネジメントの部分は、「計画プロセス」にはものすごくページが割かれているのに、「実行プロセス」や「監視・コントロールプロセス」に割かれているページが薄いのよね。どうしてなんだろう。
私の勝手な「品質管理」のイメージって、工場の生産ライン上で品質検査した商品のうち、「品質要件を満たしていない商品」をはじく――というものだ。「どういう観点で品質をチェックするのか」を決めておくことが大切なのは分かるし、その部分こそが品質計画なんだろうけど、やっぱり、実行プロセスや監視・コントロールプロセスに割かれているページがあまりにも薄いのが気になる。
「計画どおりにちゃんと品質管理を行っているかどうか」とか、「品質チェックに引っかかった商品が大量に出た場合の改善策」とか、そっちだって大切なんじゃないかと思うのよね。しかも、「在宅ヘルプデスク業務開設プロジェクト」は、人が相手の仕事が中心だから、やはり計画より実行のほうが重要だし、言いたいこともたくさんになるんじゃないかしら。
その疑問を解決しようと参考書のページをめくってみる。
実行プロセスである「品質保証」は、「適切な品質標準と運用基準の適用を確実に行うために、品質の要求事項と品質コントロールの測定結果を監査するプロセスである」という説明があった。
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