中国の「360 セキュリティ」 日本市場での展開強化
Android向けセキュリティアプリを手掛ける360 Mobile Securityが日本市場での戦略を発表。ユーザーコミュニティーの創設やiOS向けアプリの先行展開などを予定する。
中国のモバイルセキュリティ企業360 Mobile Securityは8月18日、日本市場向けの事業戦略説明会を都内で開催した。Android向けセキュリティアプリを手掛ける同社は既に国内で300万ユーザーを獲得しているといい、12月までに500万ユーザーの獲得を目指すと表明した。
360 Mobile Securityは、ウイルス対策ソフトなどを展開する中国のセキュリティ企業Qihoo 360(奇虎360)のグループ企業。香港に拠点を置き、2015年6月に設立された。
説明に立った黄炎COOによると、2013年6月にリリースしたAndroid向けセキュリティアプリ「360 セキュリティ」は、Google Playで約2億ダウンロードされているという。ウイルス対策の他にタスク管理で端末の動作を改善する「ブースト」機能や、不要ファイルなどを削除する「クリーンアップ」機能、迷惑通話・SMSの遮断、盗難や紛失に遭った端末の捜索、プライバシー保護機能、データ通信量管理などを備える統合セキュリティアプリとして提供され、アプリに表示する広告で収入を得るビジネスモデルを採用することで、ユーザーは無償利用できる。
また夏汎バイスプレジデントは、「スマートフォンの安全と快適な利用を簡単操作で実現することを目指したセキュリティアプリ」と特徴を説明した。
展開強化の理由について黄氏は、モバイル先進国としてスマートフォンによるインターネット利用が広く普及しており、セキュリティ対策への関心が高いと述べ、製品開発に日本のユーザーの声を反映する必要性を挙げた。そのために施策として約100人のモニター組織を立ち上げる。最新版製品のフィードバックを得ることで、中国国内や海外で展開する同アプリの品質向上や改善につなげるとした。また、日本のスマートフォン市場ではiPhoneユーザーの割合が高いことを受け、2015年中にiOS向けセキュリティアプリを日本市場に先行投入することも明らかにした。
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