12万作品から高度な番組レコメンド、ビッグデータ分析で dTVが導入へ
12万作品からあなたにぴったりな作品を――。定額制映像配信サービス「dTV」がデータ分析を強化し、コンテンツをきめ細かく提案するサービスを開始した。
12万作品の中から、あなたにぴったりな作品を――。定額制映像配信サービス「dTV」が、会員の好みに合ったコンテンツ提案の精度を上げる仕組み作りに乗り出した。会員情報を分析し、ある会員と類似した他の会員の情報を用いて嗜好を自動で推論。そのデータをもとに会員を分類し、セグメント別にお勧めコンテンツをメールで配信する。
dTVは、国内外の映画やドラマなど約12万作品を視聴できる定額制映像配信サービス。会員数は順調に推移しているものの、コンテンツの数が膨大なことと、ユーザーインタフェースが複雑なことから、好みに合った作品探しが難しいという課題を抱えていた。
今回開発された新たなレコメンド基盤は、2009年のサービス開始時から蓄積してきた会員の年齢や性別などのセグメント情報、会員が閲覧したコンテンツのカテゴリー、作品名、視聴時間などの視聴情報を分析して構築した。
分析にあたっては、日本IBMのコンサルタントやデータサイエンティストの知見を活用。分析用ツールは、「IBM SPSS Modeler」「IBM DB2 with BLU Acceleration」などのアナリティクス製品を採用している。
IBM SPSS Modelerは、高度な分析による的確なセグメンテーションを目的に、IBM DB2 with BLU Accelerationは、データ分析の高速化のために導入された。同基盤は、IBMのクラウドサービス「SoftLayer」上で稼働している。
今回のプロジェクトでは、フィルムアナリストと呼ばれるスペシャリストが1作品につき約1000のメタデータを全作品に付与し、会員へのきめ細かなコンテンツ提案の実現に貢献した。このメタデータは、サイエンスフィクション(SF)、アクション、ロマンチック、ドキュメンタリー、宇宙など、映画の特徴を示すキーワードとして全コンテンツに付与されている。
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