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第7回 15年以上の激闘! 満身創痍になったアンチウイルス日本型セキュリティの現実と理想(3/3 ページ)

前回は全くの無防備の状態からセキュリティ対策の発端になったアンチウイルスが普及するまでの経緯を取り上げた。今回は現在のセキュリティ対策に至るまでのウイルスのその後を続けよう。

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満身創痍のアンチウイルスソフト

 もちろん、2015年の今日でもアンチウイルスが一定の有効性を持っていることに変わりはない。しかし、普及時点で既に絶望的な戦いを始めていたアンチウイルスの導入をもって、多くの日本企業は「セキュリティ対策が完了」としてしまった。このことは、現状の組織や企業のシステムのセキュリティ対策が堅固になれなかったことの大きな原因の1つだと思われる。

 いまだに、「アンチウイルスソフトを導入しているし、パターンファイルの更新も徹底しているから、一定のセキュリティレベルを確保できている」とお考えの方がいるなら、その考えを今すぐに改めることをお勧めする。アンチウイルスソフトは、15年以上もセキュリティ対策の最前線で常に戦い、もはや満身創痍の状態なのだ。


 次回からはCSIRTやファイアウォールを題材に、現在と過去を行き来しながら日本のセキュリティを紐解いていこう。

武田一城(たけだ かずしろ) 株式会社日立ソリューションズ

1974年生まれ。セキュリティ分野を中心にマーケティングや事業立上げ、戦略立案などを担当。セキュリティの他にも学校ICTや内部不正など様々な分野で執筆や寄稿、講演を精力的に行っている。特定非営利活動法人「日本PostgreSQLユーザ会」理事。日本ネットワークセキュリティ協会のワーキンググループや情報処理推進機構の委員会活動、各種シンポジウムや研究会、勉強会などでの講演も勢力的に実施している。

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