進化する「統合型システム」の正体:Weekly Memo(2/2 ページ)
ハードウェアとソフトウェアを一体化させた「統合型システム」が新たな進化を遂げつつある。キーワードは「インビジブル・インフラストラクチャ」。その正体とは――。
Nutanixの「統合型システム」が誕生した背景
「私たちが現在提供している製品を生み出すきっかけになったのは、クラウドで様々なサービスを展開しているGoogleやFacebook、Amazon Web Services (AWS)、Microsoftなどが、自社のデータセンターで徹底した効率化や自動化を図るためにどのようなインフラシステムを構築し運用しているかという点に注目したことにある」
確かにティン氏が名前を挙げたGoogleやFacebookなどは、自社のサービスに最適なインフラシステムを自前で開発し構築・運用しているのは有名な話だ。同氏によると、Nutanixはそうしたノウハウを取り込み、サーバやストレージなどはコストパフォーマンスに優れた汎用製品を調達して適用する一方で、管理や使い勝手の決め手になるソフトウェアの開発には徹底的にこだわったという。
そうして2011年に商品化したのが、「Xtreme Computing Platform」(XCP)と名付けたソフトウェア群である。ティン氏が先に統合型システムの特長として説明した内容は、このXCPがあってこそのものであり、NutanixではXCPを「インビジブル・インフラストラクチャ」を実現する基盤と位置付けている。
では、このXCPをベースとした統合型システムは、どのようなクラウド形態に活用されるのか。通常、統合型システムはプライベートクラウド(すなわちオンプレミス)に適用されるケースが大半だが、ティン氏は「私たちの製品はプライベートクラウド向けだけでなく、パブリッククラウド向けにも十分に活用できる」と柔軟な対応が可能なことを強調した。
最後にあらためて、競合他社と比較してNutanixの統合型システムの最大の優位点はどこか、同氏に聞いてみた。すると次のような答えが返ってきた。
「一言でいえば、インビジブル・インフラストラクチャ。Gartnerのマジック・クアドラントでリーダーと評価されたのもこの技術があるからだ。さらにこの技術は、同じリーダーと位置付けられている競合他社よりも間違いなく先行していると自負している」
そのインビジブル・インフラストラクチャの原点は、先に紹介したようにGoogleやFacebookなどのインフラの仕組みにあった。この点に、進化する統合型システムの正体を見た気がする。日本の大手システムベンダーもこぞって統合型システムを投入しているが、果たしてNutanixのような発想があるだろうか。ティン氏の話を聞きながら、ふとそんな思いも脳裏をよぎった。
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