ニュース
第8回 オブジェクトストレージを使う前の基礎知識と注意点:クラウド社会とデータ永久保存時代の歩き方(2/2 ページ)
オブジェクトストレージは多様なデータを大量かつ安価に保存する用途に適していますが、その特性から注意すべき点もあります。今回は使う前の基礎知識を解説します。
その他の考慮すべき点
これまでに挙げた以外でオブジェクトストレージにおいて考慮すべきポイントは以下になります。
ソリューションや利用形態ごとに要件を定義する
- アプリケーションがサポートするAPIはどれか
- スループットと容量はどれくらいが最適か
- SLA(サービスレベルアグリーメント)での可用性と冗長性はどれくらい必要か
性能の改善手法(下図参照)
- フロントエンド(アクセスティア)ではプロキシ、ゲートウェイ、アクセッサーノードを増やす
- バックエンド(ストレージティア)ではストレージノード、ドライブ数を増やす
- 利点はデータアクセスがない間に行うデータスクラビング(エラー検出、訂正)やオーディットなどが行いやすく、データリビルドやリバランシング、エラー訂正も容易である
データの特性に合わせた最適なストレージプール(またはハードウェア)の選択
- ウオーム/アクティブデータ:比較的頻繁にアクセス(リード)されるデータ。Webコンテンツ、ドキュメントダウンロード、ビデオクリップなど
- コールド/アーカイブデータ:通常はほとんどアクセスされないデータ。バックアップやアーカイブ、古い写真やビデオ、過去の金融系データなど
- 凍結データ:法規制などの理由から、アクセスの可能性は極めて低いが、保管が必要、または義務付けられているデータ。読出し時間の要求は低く、低TCOが重視される
次回はオブジェクトストレージサイジングのヒントについて解説します。
関連記事
- 第7回 オブジェクトストレージを解読する “無限”にためる使い方
前回はオブジェクトストレージの特徴を解説しましたが、今回はそのような特徴からどのような使い方ができるのかをひも解いてみます。 - 第6回 オブジェクトストレージを解読する その特徴とは?
クラウド時代において主流となっていくオブジェクトストレージを詳しくひも解いていきます。今回はその特徴について見ていきましょう。 - 第5回 ファイルがなくなる? データの配置や保存の仕組みがどうなるか
これまではクラウド社会で大きく変わりつつあるデジタルデータの扱い方、その注意点について話してきました。今回からはIT側から見た理想的なデータ保存形式について解説していきます。 - 第4回 デジタルデータのコピーは「何個」必要か
デジタルデータは、コピーが簡単で、送受信も簡単、その場で加工もできます。しかし、便利な半面、消失してしまいやすいリスクもあります。今回は「では、何個コピーを残せばよいか」について改めて考えましょう。
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.