情報処理推進機構(IPA)は、「攻殻機動隊」によるセキュリティ人材の育成と確保を目的とした普及啓発キャンペーンを開始すると発表した。2月1日からの「サイバーセキュリティ月間」で始動する。
IPAは、講談社・「攻殻機動隊製作委員会」、内閣サイバーセキュリティセンター(NISC)、日本ネットワークセキュリティ協会(JNSA)と連携。4月に始まる新たな国家試験「情報セキュリティマネジメント試験」などをアピールしていく。講談社・「攻殻機動隊製作委員会」の協力で攻殻機動隊の参画が実現した。
キャンペーンでは新たに描き下ろした「攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX」の主人公、草薙素子が登場。普及啓発ポスターを作成し、NISCやJNSAと連携して全国の団体・企業などに展開する。IPAではキャンペーンに協賛する企業・団体を募集しており、先着でポスター500枚(1機関5枚まで)を提供するとしている。
企業・組織に対するサイバー攻撃が社会問題化する一方、国内では対策を担う情報セキュリティ従事者の確保が課題に。IPAの2012年調査では14万人がスキル不足とされ、新規に約2万2000人を育成する必要があると報告されていた。人材不足解消に向け、経済産業省は2016年度から「情報セキュリティマネジメント試験」(4月、10月)を実施する。
攻殻機動隊は、情報通信研究機構(NICT)が開発するサイバー攻撃分析プラットフォーム「NIRVANA 改」のモチーフになっており、サイバーセキュリティ業界ではおなじみの存在。IPAは2015年4月にパスワード強化を訴求する胸キュンポスターをJR原宿駅などに掲出し、若い世代に情報セキュリティの大切さを呼び掛けた。
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