マルウェア博物館がオープン あの頃のウイルスは楽しかった?:週末エンプラこぼれ話
セキュリティ研究者で有名なミッコ・ヒッポネン氏が「The Malware Museum」を開設しました。かつてのウイルス作成者たちは、感染先でのイタズラに興味シンシンだったのかもしれません。
英BBCの2月8日付ニュースによると、セキュリティ業界の著名な研究者として知られるミッコ・ヒッポネン氏が「The Malware Museum」なるWebサイトを開設しました。The Malware Museumでは1990年代までの古き良き(?)マルウェアたちに、“安全に”感染することができるそうです。
キュレーターを務めたヒッポネン氏は、サイバー犯罪組織が繰り出す無数のマルウェアの中から、かつての「幸せなハッカーたち」によって作成された楽しいマルウェアをピックアップしたとのこと。
同氏によって選ばれたマルウェアは、無害化されてエミュレータ環境で動作し、そのさまざまな演出に訪問者たちを楽しませてくれます。かつてのサイバー犯罪は愉快犯が中心だったと言われますが、The Malware Museumでは当時の様子を体験することができます。
そんなマルウェアも、2000年頃から大規模感染を引き起こした「Melissa」や「Code Red」「Nimda」「Blaster」に代表される悪質な存在へ変わりました。そして、2010年に発見された原子力施設の破壊を目的とする「Stuxnet」を契機に、現在のマルウェアは凶悪なサイバー犯罪の中で暗躍するようになっています。
そんな変化の中でも、2007年にはファイルのアイコンをかわいらしいパンダに変えてしまう「お祈りパンダ」ウイルスや、2009年にはデスクトップの隅っこにオバマ米大統領の顔写真を置いてくれる「オバマワーム」、2014年には映画「スター・ウォーズ」に登場するチューバッカの画像を使ったトロイの木馬がありました。ただ、チューバッカのトロイの木馬は見た目こそユニークでも裏側ではPOS端末からクレジットカード情報を盗むなど、現在のマルウェアの典型的な犯罪機能を備えていました。
マルウェアの歴史を改めて振り返ってみると、サイバー犯罪がいかにして凶悪化していったのかを知ることができます。現在のマルウェアにはこんなユーモアは一切なく、ユーザーでも分かる目立ちたがり屋といえば「ランサムウェア」(身代金要求ウイルス)のようなモノばかり。しっかりと対策を取る必要があるでしょう。
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